猪熊佳子日本画展;横浜そごう
江嵜企画代表・Ken
猪熊佳子 日本画展が、横浜そごうで開かれ家族と出かけた。日本画教室の仲間も、関西方面から三々五々到着、猪熊佳子先生にそれぞれお祝の挨拶をしていた。会場の様子をいつものようにスケッチした。
この日の筆者のお目当ては、午後2時から猪熊先生のギャラリートークだった。「今回の個展のテーマは「センス・オブ・ワンダー」です。森の中で絵を描いていると不思議な感情に駆られます」と話しを始めた。
何か新しい物を描きたいといつも思っている。今回は数点の絵に箔を使って描いた。銀箔や金箔の上に特殊な薄紙を張った。森の奥へ行くほど薄紙の枚数を増やして、箔の強さを弱めながら、奥行きを出す工夫をした。自分ではまあ、うまく描けたと思っているが、そのあたりを見ていただければ有難いと話した。
絵というものはひとつの出会いです。一枚一枚物語を込めて描いてあります。出来るだけ沢山の方に見ていただければ嬉しく思います。
どうして日本画を始めたのか。京都西陣で生まれた。祖父の家が呉服屋でした。小さい頃から美しい着物を見て育った。京都の町屋の住居の奥に小さな庭がある。美しい庭を見ながら育ったことが、今、森や自然を描くようになった原点だと思うと話された。
日本画の専門の高校に入った。美術専門の大学に進んだ。大学では花、人物など色々な絵を学んだ。屋久島の森を描いた絵が山種美術館賞をいただいてから森、山、川の絵を多く描くようになった、と話はつづいた。
ひとの目にとらわれないところに自然の本当の美しさがある。自然には怖ろしいこともある。牙をむくこともある。そんな自然に憧れ、怖れ、自然に祝福されて描いた絵だと思い起していただき、世の中に貢献できたらいいなと思う次第です。
猪熊佳子先生は、現在、ボランティアで京都の小学校で月一回、日本画を教えておられる。小さいころから一人でも多く子供たちに日本画を楽しんでもらえたら有難いと約20分の話を終えられた。
猪熊佳子日本画展は横浜そごう6階美術画廊(045-465-5506)で、2月28日まで開催されている。2号の小品から100号の大作まで約40点が出品されている。
27日には会場に猪熊佳子さんも顔を出される。お時間が許せば、最寄りの方は、会場を訪ね、猪熊佳子「センス・オブ・ワンダー」の世界に浸っていただければ有難い。(了)