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中東情勢悪化でもドル安、ドル垂れ流し長期化を予見?(学校で教えてくれない経済学)

2011-02-28 08:23:40 | 経済学
米ドルはSaftyNet(安全網)よりfrayedHammock(ほつれたハンモック)のように見える、と26日付けのWSJ紙でKellyEvans記者が記事冒頭に書いていた。25日付けのWSJ紙にはJamesHookway記者が、ドル安が進む結果、海外からの送金がGDPの10%を占めるフィリピン人出稼ぎ労働者のLifeline(命綱)が絶たれようとしていると書いた。

24日付けのWSJ紙日本版では、山口肇記者は、WSJ紙ワシントン支局の経済担当記者ジョン・ヒルゼンラス氏などとのインタビューをまとめ、6月で切れる米量的緩和政策第二弾(QE2)を巡って識者の間で意見が分かれている。アセットベストパートナーズ、エコノミスト、中原圭介氏は「バ―ナンキ議長の最近の言動は、7月以降にQE3を実施したい意向なのではないかと指摘していると紹介していた。

いずれの記事もドル安を懸念している点で共通している。たまたまかもしれないが、WSJ紙の24,25,26日の3日間に集中した。日本では相変わらず円高を問題にしている。日本以外ではドル安がさらに進むことを懸念している。沈み続けるドル札の鏡に顔を写して自国通貨である円が高いと勘違いしている。

Evans記者は、「これまで世界市場でリスク回避に動く時は、ドル高になるのが常だった。先の金融危機においては、ドルは主要通貨バスケットに対して24%上昇した。昨年春の株価暴落や欧州金融機ではドルは10%上げた。ところが、今回の中東や北アフリカのおける革命や政情不安にもかかわらず、ドル高に動く気配はない。むしろ、値下がりしている。」と指摘した。

Evans記者は「これが過去のSaftyFright(安全逃避)の動きと今回との大きな違いである。今回の事態は、金融危機ではなく、石油価格高騰に由来している。そのため、この先も石油価格の上昇が続けば、ドル安圧力がさらに強まるだろう。」と明快に指摘している。

Hookway記者は「夫からの送金が、2ケ月毎43,000ペソが、ドル安で、現在は33,000ペソに目減りした」と37歳、3人の子持ちの主婦、Baqullosさんの嘆きを紹介した。ドル安が進んだ結果フィリピンペソは2008年の安値から対ドルで15%値上がりした。フィリピン経済専門家の一人は、フィリピンペソの対ドルでの上昇は年末に向けてて加速化すると予測していると書いた。

ペソが値上がりすれば「海外送金(remittance)」だけでは生活が苦しくなるとBaqullosさんは話している。現在6.9%の失業率が増える。フィリピンの平均的年収は1,790ドル(約14万7,000円)である。

一方、山口肇記者は、「米FRBのQE2政策はG20の会合で、中国そのたの新興国に容赦ない批判を浴びた。中国は通貨切り上げを自殺行為とみており、日本が犯した過ちは犯すまいと見ている。」と中国のマ―ケッとウオッチャーの見方を紹介していた。

原油高、それに伴う米国のドル垂れ流しが意外に長期化するとの前提で、操縦かんを握って飛行することがこの先一層求められるかもしれない。(了)

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