(学校で教えてくれない経済学)
「消えゆくアメリカンドリーム―加速する“超格差”の実態」と題して、19日付けのWSJ紙日本版でフリージャーナリストの肥田美佐子氏が「世界25ケ国・地域の富豪世帯が所有する92兆ドルのうち39兆ドルを米国の大富豪が占めている。一方、米世帯の2割に当たる6300万人が、資産ゼロか負債をかかえている。NY州では、302万人が政府の援助なしには食事にもこと欠く。8月2日成立した財政赤字削減策で社会保障費がカットされると、貧困率(09年14.3%)が倍になるという調査もある」などと書いていた。
19日のNY株式市場は、世界景気後退と欧州金融危機懸念から、NYダウは前日比172ドル、1.6%安、10,817ドルで取引を終了したと19日付けのWSJ紙電子版が伝えた。NY外国為替市場ではドルが売られ、一時、1ドル=75.95円までドルが値下がりした。一方、NY金先物市場では安全な資金の逃避先として金が買われ、トロイオンス当たり27.74ドル高い1851.50ドルで取引された。
今朝6時冒頭のNHK/BS「ワールドWaveMorning」が紹介する米ブルームバーグに出演した投資ストラテジスト、LindolnEllis氏は「米債務上限切り上げ問題、マクロ経済の冷え込み、ヨーロッパ不安という魔のトライアングル(3つの災い)の最中に今我々は置かれている。26日予定のジャクソンヒルでのバ―ナンキ米FRB議長証言待ちの状態だ」と語っていた。同番組に出演した投資会社DavidTice氏は「米国はペーパーマネーを刷り続ける。NYダウは8,000~9000ドルのゾーンに入るだろう」と話していた。
一方、ドイツZDFは番組冒頭に欧州株価暴落のニュースを取り上げ「フランクフルトDAX指数は2月18日7,406だったがフクシマ事故のあと3月16日6513、その後アジア株回復を受けて5月2日に7600の今年最高値更新後下げ続け、19日は112ポンと下げ5480で取引を終了した。不安感から投資家が争って株を売っている。相場は10億分の1分で高速取引で成立する。」と解説、番組に出演したハイセ・ミッテル氏は「皆が不安感に駆られている。原油相場がバレル82ドルと落ち着いてきている。今の株価は行き過ぎだ。」と発言していた。
20日付けのWSJ紙日本版は欧州株大幅続落の見出しで「フランクフルト市場で保険大手のアリアンツ4.1% 安、販売好調を発表したフォルクスワーゲン2.6%安、同業のBMW3.4%安、伊フィアット6.4%安、一方、英ソフトウエア会社オートノミ―72%高、独ソフトウエアAG5.8% 高、フィンランド携帯電話メーカー、ノキア4.7%高と堅調だった」と書いていた。
他紙は知らないが20日の読売朝刊一面トップは、大見出しで「円最高値75円 95銭」と出ていた。その記事の下に、家庭の「金」売却ラッシュ、指輪やネックレス手に行列と出ていた。毎度のことで恐縮だが、円が高いのではない。ドルが安いのである。金が高いのではない。ドルがこの先さらに下がると世界の多くの人々が思っているからであろう。日本人が貴金属店で行列を作って手持ちの金のネックレスを売っている姿は何を教えているのだろうか興味深い。
19日付けのWSJ紙は、なぜ円が買われているのかについてQ&Aのコーナーを特設して「答えはTokyoにない。Washigtonにある。アメリカ経済が少しでも上向きの気配を示せば大量の資金がアメリカに入る。一方、高齢化の進展、デフレ長期化と日本は巨額の財政赤字を抱えている。ひとたび流れが変われば、一気に日本円は売られるだろう。嵐がすぎさるまで日本円という港に帆を休めているにすぎないと答えていた。余裕のある一部の日本企業が、今が買い時とばかり、海外の優良企業を買収しているが彼らは笑いが止まらないだろう。(了)
「消えゆくアメリカンドリーム―加速する“超格差”の実態」と題して、19日付けのWSJ紙日本版でフリージャーナリストの肥田美佐子氏が「世界25ケ国・地域の富豪世帯が所有する92兆ドルのうち39兆ドルを米国の大富豪が占めている。一方、米世帯の2割に当たる6300万人が、資産ゼロか負債をかかえている。NY州では、302万人が政府の援助なしには食事にもこと欠く。8月2日成立した財政赤字削減策で社会保障費がカットされると、貧困率(09年14.3%)が倍になるという調査もある」などと書いていた。
19日のNY株式市場は、世界景気後退と欧州金融危機懸念から、NYダウは前日比172ドル、1.6%安、10,817ドルで取引を終了したと19日付けのWSJ紙電子版が伝えた。NY外国為替市場ではドルが売られ、一時、1ドル=75.95円までドルが値下がりした。一方、NY金先物市場では安全な資金の逃避先として金が買われ、トロイオンス当たり27.74ドル高い1851.50ドルで取引された。
今朝6時冒頭のNHK/BS「ワールドWaveMorning」が紹介する米ブルームバーグに出演した投資ストラテジスト、LindolnEllis氏は「米債務上限切り上げ問題、マクロ経済の冷え込み、ヨーロッパ不安という魔のトライアングル(3つの災い)の最中に今我々は置かれている。26日予定のジャクソンヒルでのバ―ナンキ米FRB議長証言待ちの状態だ」と語っていた。同番組に出演した投資会社DavidTice氏は「米国はペーパーマネーを刷り続ける。NYダウは8,000~9000ドルのゾーンに入るだろう」と話していた。
一方、ドイツZDFは番組冒頭に欧州株価暴落のニュースを取り上げ「フランクフルトDAX指数は2月18日7,406だったがフクシマ事故のあと3月16日6513、その後アジア株回復を受けて5月2日に7600の今年最高値更新後下げ続け、19日は112ポンと下げ5480で取引を終了した。不安感から投資家が争って株を売っている。相場は10億分の1分で高速取引で成立する。」と解説、番組に出演したハイセ・ミッテル氏は「皆が不安感に駆られている。原油相場がバレル82ドルと落ち着いてきている。今の株価は行き過ぎだ。」と発言していた。
20日付けのWSJ紙日本版は欧州株大幅続落の見出しで「フランクフルト市場で保険大手のアリアンツ4.1% 安、販売好調を発表したフォルクスワーゲン2.6%安、同業のBMW3.4%安、伊フィアット6.4%安、一方、英ソフトウエア会社オートノミ―72%高、独ソフトウエアAG5.8% 高、フィンランド携帯電話メーカー、ノキア4.7%高と堅調だった」と書いていた。
他紙は知らないが20日の読売朝刊一面トップは、大見出しで「円最高値75円 95銭」と出ていた。その記事の下に、家庭の「金」売却ラッシュ、指輪やネックレス手に行列と出ていた。毎度のことで恐縮だが、円が高いのではない。ドルが安いのである。金が高いのではない。ドルがこの先さらに下がると世界の多くの人々が思っているからであろう。日本人が貴金属店で行列を作って手持ちの金のネックレスを売っている姿は何を教えているのだろうか興味深い。
19日付けのWSJ紙は、なぜ円が買われているのかについてQ&Aのコーナーを特設して「答えはTokyoにない。Washigtonにある。アメリカ経済が少しでも上向きの気配を示せば大量の資金がアメリカに入る。一方、高齢化の進展、デフレ長期化と日本は巨額の財政赤字を抱えている。ひとたび流れが変われば、一気に日本円は売られるだろう。嵐がすぎさるまで日本円という港に帆を休めているにすぎないと答えていた。余裕のある一部の日本企業が、今が買い時とばかり、海外の優良企業を買収しているが彼らは笑いが止まらないだろう。(了)