プラチナ相場が金相場を数年振りで逆転、米景気回復の兆し？：１６日朝放送の米ブルームバーグ

（学校で教えてくれない経済学）


米コカコーラ社が、「カロリーゼロのコ―クもあるよ。コ―クを飲めば幸せにしてくれる」と、コークが肥満の原因ではないと訴えたテレビコマ―シャルが最近、話題になっている。ただ、専門家はコークひと缶に６ケ、ダブルサイズには32ケ分の砂糖が入っている。それが肥満の原因だと反論しているとワ―ルドWaveMorning16日朝放送の米ABCが伝えていた。アメリカでは肥満が健康の大敵と言われて久しい。コ―クがやり玉に挙げられたわけだ。砂糖は肥満の原因だけでない。血液の流れにも悪さをすることは余り知られていない。

甘い食べ物、飲み物は、からだをゆるめる。そのため、いっとき楽に感じる。経済の世界で言えば、文字通り金融緩和がそれに当る。緩めたからだを元に戻すために、その何倍ものエネルギーを要する。アメリカが、「財政の崖」をクリアしても2月15日に期限を迎える歳出上限拡大を巡って、アメリカが四苦八苦している。議会が承認しなければ米国経済は破綻する。今朝放送の米ABCは、オバマ米大統領は上限拡大に反対の米下院共和党と真っ向対立していると伝えていた。

16日、NY証券取引所では、NYダウは、財政上限拡大が米議会で不成立に終われば、アメリカ経済が破たんするとして大幅値下がりでスタートした。ところが、米商務省が発表した12月の米小売り高が大方の予想を上回ったことを好感してあと戻し、NYダウは前日比27ドル高、13,534ドルで取引を終えた。朝６時台放送の米ブルームバーグ出演の株式担当のAlexSteel記者は「12月小売り堅調が相場をけん引した。」と解説していた。商品担当のJulieHymann記者は「プラチナが1,633ドルの金を数年ぶりに抜いた。」と解説していた。プラチナは需要の半分が工業用だから米景気回復のシグナルに使われる。ただ、NY原油｛WTI｝はバレル93.28ドルで小動きだった。一方、NY為替市場では1ドル＝88.85円、1ユーロ=118.22円で取引きされた。ワ―ルドWaveMorning「経済情報」に出演したみずほコーポレート銀行、荒井守氏は「甘利経済相の円安けん制発言で円買い戻しが見られた。ただ、小売り、米鉱工業生産、住宅市場ふくめ米国の実態経済にも関心を持つ必要がある。」と指摘していた。

ワ―ルドWaveMorning「世界の扉」が今朝、ロシアを取り上げた。安間英夫、モスクワ支局長は「シェ―ルガス革命の進展で、天然ガス相場が急落、ロシアが目指すGDP年5~6%成長実現があやしくなって来た。エネルギー収入がロシア予算の過半を占める。財政悪化懸念からプーチン大統領とメドベ―ジエフ首相との不仲説も取り沙汰される。安定したエネルギ一市場確保のためアジア太平洋地域、なかでも日本市場への参入を積極化している。日本は領土問題に活路を見出したい。中国とバランスを取るためにもロシアの存在は重要だ。森元首相をロシアに送る。安倍・プーチン会談の地ならしのためだ。」と総括していた。

経済と政治は一体となって動いている。日本の政治家にとって千歳一隅のチャンスだ。（了）