前頭上顎縫合は七星論で「心」に配置されます
七星論での顔面配置
先日、「左頚部と左肩が異常に凝って辛い」と訴える方が来られました。
(この方は肩凝りが主訴ではなく、打撲で歪んだ体を整えるのがメインでした)
診ると、確かに胸椎上部が左に引っ張られていて、「心・心包」の問題があることはすぐにわかりました。
そこで、「整体鍼」で股関節や仙腸関節を整えてから、クラニオセイクラルで頭蓋骨の調整をしました。
方法は、頭頂上顎縫合をゆるめるように、頭頂骨を上に軽く、ほんとに軽く引くだけです。
そして、前頭骨、後頭骨、側頭骨等を整えました。
※すぐに頭蓋骨を動かすよりも股関節や仙腸関節を調整してからのほうが、かなり効率のいい治療ができます。
その他の症状もありましたので、七星論での陰査穴などへの刺鍼もしましたが、治療が済んでから、肩の凝りを触ってみましたら、すごく軟らかくなっているので、
「だいぶ楽になったみたいですね」と言うと、
「はい。楽になりました」と言っていました。
これは、クラニオセイクラルのテクニックを使ったのですが、なぜ、頭頂上顎縫合かと言いますと、上の画像を診るとわかるように、頭頂上顎縫合というのは、七星論で視ると「心」にあたるからです。
そして、この方が訴えていたのは、「心」からの症状だったからです。
ちなみに、この診断方法は、2014年の頭蓋JAA(頭蓋骨関節調整鍼)で発表したのもで、心に異変がある場合、その部を押圧すると痛みがあります。
ここには普通、鍼をすることはないのですが、鍼灸では、眉間の間に「印堂」というツボがあり、脳からの症状の場合は、その印堂へ鍼をすることもあります。
クラニオセイクラルとは、オステオパシーの創始者の直弟子だったウイリアム・ガナー・サザーランドによって開発されたもので、より穏やかで繊細なタッチを用いてクライアント自身の自然治癒力の働きを促すテクニックを用いて頭蓋骨を調整する方法です。
オステオパシーとは、ギリシア語のOsteon(骨)とPathos(病理・治療)の2つを語源として、運動器系、動静脈、リンパなどの循環器系、脳脊髄液の循環を含む脳神経など、解剖生理学的な知識を元に手技で治療する方法のことで、そのままでひとつの哲学となっています。
オステオパシーの基本は、
① 身体全体をひとつのユニットとして考える。
② 身体の機能と構造は一体のものであると考える。
③ 自然治癒力を鼓舞することを主眼とする。
となっていますので、今までの東洋医学だと、「診断」⇒「治療」となるのですが、クラニオセイクラルでは、特に「診断・治療」というパターンは考えないようです。
つまり、誰にでも基本的なテクニックで治療(施術)が行なえるわけです。
しかし、クラニオセイクラルに七星論を投入することで、「診断」⇒「治療」のパターンが作れそうです。
次回の 6月26日(日)の臨床実践塾 では、いくつかのパターンを紹介したいと思います。
このように「診断」⇒「治療」のパターンを作ると、鍼灸師でもクラニオセイクラルが学びやすくなると考えるからです。