指で示した辺りの左右の歪みを調整します
頭痛やめまいが起ったり、強度の肩凝りが起ったりする場合、頸椎上部(頚椎1番2番辺り)が詰まっている場合があります。
その詰まりを治すには、仙腸関節や脊椎の歪みから矯正したほうが治しやすいし、治療効果が持続します。
その手順として、 今度の臨床実践塾 で行なう「整体鍼」があります。
整体鍼で股関節・仙腸関節を整えてから、ご自身の得意の方法で脊椎を調整して、それから上の写真で示した部分の、左右の緊張状態を調べ、過緊張にあると思われた所を軽く引くか、頭蓋JAA(関節調整鍼)で切皮程度の鍼をします。
その場合、どこが過緊張なのかわからない場合がありますので、その時は、頸椎の横突起に触れてみるといいです。
触れる横突起は、頸椎2番です。
その頚椎2番が右に出ているか、左に出ているかを調べて(出ている所は痛みがあります)、そこに指を当てて、軽く頭を横に引いても矯正できます。
「軽く」です。
頭蓋JAAなら、その部に軽く、鍼をします。
すると、先ほどの過緊張状態が取れているのがわかります。
それでも取れない場合は、臓腑が歪んで、その臓腑からの引き攣りで (経筋腱収縮牽引)、 かなり時間が経過していますので、臓腑の治療を加えます。
問診で、長期間に及んでいることがわかれば、臓腑の治療からしたほうがいいです。
則ち、慢性的になっていると思われた場合に、臓腑の治療からするわけです。
原因が慢性的な歪みから来ている場合は、長置鍼法が役立ちます。
ただ、長置鍼法の場合は、患者さんが巨鍼のできる人かできない人かを診る必要があり、誰にでも長置鍼法が使えるというわけではありません。
しかし整体鍼はおもしろいです。
治療の空き時間に、スタッフにも教えているのですが、彼らも楽しそうです。
先日、首が痛くて、肩が異常に凝り、時々フラフラして、眼までおかしく、夜も眠れないという方が来ましたが、整体鍼をして、後頭骨から頚椎を矯正しましたら、私の指に「ほぐれた」という感触がありました。
そこで、「今、詰まっていたところが取れたみたいですから、首は相当軽くなっていると思いますよ!」と言うと、
「ええ、わかります。動いたのもわかりました。フワーッとして気持ちいいです」と言っていました。
それから座ってもらって頚部の痛みを確認をしてもらったのですが、首を回しながら「ああ、詰まっていたのが取れたみたいです」と、嬉しそうな顔になりました。
この方の治療は、念入りに股関節と仙腸関節を調整したので、それが頚椎までいい影響を与え、後頭骨と頚椎の関節が上手く調整できたわけです。
つまり、このブログで何度も書いたのですが、人体の動きの中心は、腰椎、骨盤、股関節辺りになるので、そこを上手く調整すれば、上肢や下肢の変調でも調整しやすいということです。
そう言えば先日、5~6歳の子が、「足首が痛い」とやってきました。
歩いてもらうと、足首が痛いせいで、右足全体を真っ直ぐ棒のように伸ばして歩くのです。
この子のお母さんが言うには、捻挫をしたのが原因だということでした。
そこで、鍼は使えませんので、手技だけで股関節と仙腸関節を調整したあと、脊椎をコロコロと動かして矯正して、立ってもらいましたら、スムーズに立つので、今度は歩いてもらいましたら、歩く姿もスムーズになっていました。
後は、おかしくなったときの簡単な家庭療法を教えて治療を終了しました。
こういう治療は、5分もあれば十分だろうと考えていましたが、時計をみたら8分ほどかかっていました。
8分はちょっと長いですが、子どもさんも喜びながら治療を受けていましたので、それで良かったと思います。