細川たかし長山洋子
江嵜企画代表・Ken
神戸文化ホール大ホールで6月30日(土)午後2時から開かれた細川たかし長山洋子~ふたりのビッグショー~へ楽しみにして出かけた。神戸はここ数日猛暑続きである。梅雨明け宣言はまだだが、この日も昼前から33℃。開演前からホール横の木陰に大勢の演歌フアンが押しかけていた。
細川たかしの豊かな声量に圧倒された。歌の間に語りが入る。紅白歌合戦で2度歌詞を間違えた話で笑いを取った。長山洋子とのコンビもぴったりだった。細川たかしさんは、 和太鼓を入れ、舞台奥に三味線奏者を配して歌った。長山洋子さんは、三味線の師匠と共演、「津軽三味線」は圧巻だった。「じょんがら女節」、「夜桜お七」もよかった。
長山洋子さんは「細川さんに背中を押されて演歌歌手になった。1980年代はアイドル歌手だった。今年7つの女の子の母親である」と話した。1968年生まれ。今年50歳である。ライブで彼女の歌を聴いたのははじめてだった。
細川たかしさんは1960年生まれ。今年68歳である。三橋美智也に師事。三橋美智貴を名乗ると話した。民謡で鍛えられた声量は圧倒的だった。肺活量が乏しいために、マイクを口のそばにくっつけ歌う昨今の多くの歌手はまっ青だろう。
細川たかしさんは1975年に「心のこり」(なかにし礼作詞)でデビューした。「心のこり」は♪わたしバカよね おバカさんよね♪で歌がはじまる。題名も「おバカさんよね」だったが挨拶周りで「おバカさんよね」の細川たかしでは、まずいということになり題名を「心のこり」に変えたと内輪話を披露した。第26回NHK紅白以降連続出演したが2015年後進が育たないと決意して「紅白」から勇退したと話していた。
「矢切のわたし」、「浪花節だよ人生は」を絶唱した。休憩なし2時間ピタリで終わった。帰路、「本物のプロやな」という声がそこここで聞こえた。素人の感想だが、歌手の生命は声量で決まると常々思っている。細川たかしの歌を生ではじめて聞いた。いろいろな世界で、ほんまもんが次々姿を消していく今の日本で、歌手の世界で、細川たかしの存在は貴重だと改めて認識した次第である。(了)