今朝の日経CNBCテレビを見ていると、ドルは5ヶ月振りの高値、原油は3ヶ月ぶりの安値と繰り返しコメントしていた。
NY外国為替市場で、8月6日、ドルは、一時、1ユーロ=1.5398ドルで取引された。対円でもドルが買われ、1ドル=109.54円で取引された。NY原油(WTI)先物市場では米原油在庫が増加したことを材料に原油が売られ、バレル118.58ドルで取引を終了した。
今朝のWSJ紙によると、ドルは、対英ポンド、対スイスフランでも値下がりした。1英ポンド=1.9495ドル、1ドル=1.0592スイスフランで取引された。ドルがユーロはじめ対欧州通貨で買われた背景に、欧州で相次ぎ発表されるデータがいずれも欧州景気鈍化を示唆するデータが多いからだと解説している。
英国の6月の消費者信頼感指数が、2004年5月来最低を記録した。英国の住宅価格が下がり、失業者が増加し、その一方で、原油高、食糧品高で生活コストが上昇している。IMFは、英国GDP成長率を08年、09年ともに下方修正した。英国中央銀行が利上げを見送らざるを得ないと英ポンド売りの材料が並ぶ。
ECB(欧州中央銀行)会議が木曜日(現地8月7日)開催される。トリシエ総裁は、会合の後の記者会見で「なぜ前回政策金利を4%から4.25%へ上げたのか」と質問攻めにあうだろうとインフレファイターで鳴らすトリシエ総裁への風当たりが強くなってきているとドルが対欧州通貨で買われる背景を解説している。
原油相場の値下がりは、米エネルギー省が発表した8月第一週締めのデータがアナリストの予測の10万増に対して160万バレル増加したことを材料に使った。ところがガソリン在庫は110万減の予測が430万減少したが、マーケットは無視した。
相場の世界に「相場は相場に聞け」ということわざがある。下手な講釈は無用で相場が下がりたがっているときには下がる。相場が休みたがっているときには休む。「休むも相場」という格言があるのもそのためだが、原油は相場が休みたがっている。下がりたがっている。一方、ドルは上がりたがっていると見ておいたほうが素直に頭に入り易い。
日本人には相場という言葉自体嫌う人が多い。団塊の世代が一挙に退職した。なけなしの退職金を少しでも運用したい。気持ちはあっても郵便局に自然と足が向かうのは、相場のように理屈なく上げたり下げたりするものを日本人は生理的に受付けつけないからであろう。
NY株式市場は、8月6日、米国が救済に乗り出した米住宅金融公社2社のひとつファニーメイが第2四半期、48億2,100万ドル(約5,200億円)赤字決算を発表したことが弱材料となった。ただ、原油値下がりから若干持ち直し、前日比40ドル高い11,656ドルで取引を終了した。
ファニーメイの株価は一年前の60ドルが現在11ドルである。残り一社のフレディマックの株価は一年前60ドルで現在6ドル50セントである。米国は返済のメドのない借り手に金を貸して家を建てさせた。その後、住宅相場は下落と利上げのダブルパンチを受けた。専門家の見方では、国有化以外二社を救済できない。いま米国は大統領選挙渦中にある。オデキが大きすぎて潰すに潰せないこともあるが、国民の税金を2社に投入することも出来ないから、サブプライム問題の解決が長引いているのが現状だ。
原油先物相場は値下がりしている。ところが高値の原油がこれから日本の港に入ってくる。ガソリンの値段はリッター185円を突破した。まともに買えない弱いドルも欧州経済悪化に助けられて相対的に買われたに過ぎない。つれて円が売られた。100% 輸入依存の身で、円安歓迎の日本人の気が知れない。(了)
NY外国為替市場で、8月6日、ドルは、一時、1ユーロ=1.5398ドルで取引された。対円でもドルが買われ、1ドル=109.54円で取引された。NY原油(WTI)先物市場では米原油在庫が増加したことを材料に原油が売られ、バレル118.58ドルで取引を終了した。
今朝のWSJ紙によると、ドルは、対英ポンド、対スイスフランでも値下がりした。1英ポンド=1.9495ドル、1ドル=1.0592スイスフランで取引された。ドルがユーロはじめ対欧州通貨で買われた背景に、欧州で相次ぎ発表されるデータがいずれも欧州景気鈍化を示唆するデータが多いからだと解説している。
英国の6月の消費者信頼感指数が、2004年5月来最低を記録した。英国の住宅価格が下がり、失業者が増加し、その一方で、原油高、食糧品高で生活コストが上昇している。IMFは、英国GDP成長率を08年、09年ともに下方修正した。英国中央銀行が利上げを見送らざるを得ないと英ポンド売りの材料が並ぶ。
ECB(欧州中央銀行)会議が木曜日(現地8月7日)開催される。トリシエ総裁は、会合の後の記者会見で「なぜ前回政策金利を4%から4.25%へ上げたのか」と質問攻めにあうだろうとインフレファイターで鳴らすトリシエ総裁への風当たりが強くなってきているとドルが対欧州通貨で買われる背景を解説している。
原油相場の値下がりは、米エネルギー省が発表した8月第一週締めのデータがアナリストの予測の10万増に対して160万バレル増加したことを材料に使った。ところがガソリン在庫は110万減の予測が430万減少したが、マーケットは無視した。
相場の世界に「相場は相場に聞け」ということわざがある。下手な講釈は無用で相場が下がりたがっているときには下がる。相場が休みたがっているときには休む。「休むも相場」という格言があるのもそのためだが、原油は相場が休みたがっている。下がりたがっている。一方、ドルは上がりたがっていると見ておいたほうが素直に頭に入り易い。
日本人には相場という言葉自体嫌う人が多い。団塊の世代が一挙に退職した。なけなしの退職金を少しでも運用したい。気持ちはあっても郵便局に自然と足が向かうのは、相場のように理屈なく上げたり下げたりするものを日本人は生理的に受付けつけないからであろう。
NY株式市場は、8月6日、米国が救済に乗り出した米住宅金融公社2社のひとつファニーメイが第2四半期、48億2,100万ドル(約5,200億円)赤字決算を発表したことが弱材料となった。ただ、原油値下がりから若干持ち直し、前日比40ドル高い11,656ドルで取引を終了した。
ファニーメイの株価は一年前の60ドルが現在11ドルである。残り一社のフレディマックの株価は一年前60ドルで現在6ドル50セントである。米国は返済のメドのない借り手に金を貸して家を建てさせた。その後、住宅相場は下落と利上げのダブルパンチを受けた。専門家の見方では、国有化以外二社を救済できない。いま米国は大統領選挙渦中にある。オデキが大きすぎて潰すに潰せないこともあるが、国民の税金を2社に投入することも出来ないから、サブプライム問題の解決が長引いているのが現状だ。
原油先物相場は値下がりしている。ところが高値の原油がこれから日本の港に入ってくる。ガソリンの値段はリッター185円を突破した。まともに買えない弱いドルも欧州経済悪化に助けられて相対的に買われたに過ぎない。つれて円が売られた。100% 輸入依存の身で、円安歓迎の日本人の気が知れない。(了)