ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

よろめく米国。停滞するロシア。日本がリーダーシップを発揮する余地は十分ある?

2010-10-21 19:28:05 | 経済学
(学校で教えてくれない経済学)



「停滞しきった経済に即効性ある「薬」はない」、「現実のFRBは、神格化されたFRBよりずっと無力だった」と、「FRBの追加緩和政策は自暴自棄の危険な行為」と題して、直近のニューズウイーク(NW)誌日本版に、ロバート・サムエルソンNWコラムニストが寄稿していた。

「FRBは、金融危機を受けて08年秋以降、1兆7,250億ドル(約140兆円)もの住宅ローン担保証券や米国債などを購入している。」「11月に追加緩和をしても、期間30年の住宅ローン金利は既に4.3%と低金利である。追加の購入債券もせいぜい1兆ドル」と書いた。

「これまでのところ、カネが潤沢だからといって、借入を増やして消費や投資に回そうとする動きに繋がってこなかった。家計は将来不安に悩まされ、企業も慎重になっている。消費者ローンの残高は減り続けている。ある意味、追加緩和は焼石に水だ。銀行は今でもざっと1兆ドル(約81兆円)の余剰資金を持っている。」と書いた。

「超低金利がひとたび経済成長を加速させ始めれば、これらの余剰資金の多くは貸し出しに回る。それまでダブついていたカネが一気に実態経済に流れ込むのだから、人々はインフレの亡霊に怯えるようになる。」と書いていた。

それでもバンク・オブ・アメリカのエコノミスト数人に聞くと、「経済にそこそこの影響しかないが、「何もしないよりましか」という。こう言う記事を読まされると、重病の家人をこの医者ならと信じて托した家族はハラワタが煮えくりかえる思いであろう。今のアメリカは本当に困っている。本復には相当長期間かかりそうだと腹を決めた方がよさそうだ。

同誌は別ページで、「ロシアの成長力を奪ったのは誰か」と題して、ルチルシャルマ氏(モルガンスタンレーインベストメント・マネジメント新興市場責任者)が、「ロシアは、経済全体に占める中小企業の比率が最も低い。彼らが融資を受けようとすると、年間15~20%は覚悟しなければならない。」と書いていた。

「ロシアは90年にウラジミール・プーチンが大統領になって、原油高騰の恩恵もあり、それまで一人当たり国民所得1500ドルの国を、10年間で1万ドルに押し上げた。だが、そのあとがいけない。高圧的で、国営部門がロシア経済全体の50%を占める中央集権的な連邦政府の存在がロシアの一段の成長を妨げている」と指摘していた。

よろめく米国。停滞するロシア。日本がリーダーシップを発揮する余地は十分ある。(了)

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米国経済は、「薬(量的緩和)」で血圧を上げ下げしている病人か?!(学校で教えてくれない経済学)

2010-10-21 11:09:06 | 経済学
日本では水と情報はタダと相場は決まっている。先日、いくらメールをいれても反応のない方に一応、お断りをした上だったが、配信を止めた。ところが、奥様からメールが入り、「主人が入院している。楽しみにしているので継続して欲しい。」と依頼が入り驚いた。

現役の人と退職後の方と比べると、退職された後の方がまだ情報に関心が高い。現役のひとからは、忙しいから読む時間も、返事する時間もないと言われた。なるほどそうかもしれない。人それぞれの立場、環境をわきまえろとのご示唆と、有難く拝聴した。

筆者の「経済学」について、「よく毎日続きますな」、と半ば本心、半ば呆れて、つい口に出す知人もおられる。もし自分のHPだと続かなかったと思っている。お世話になっている鍼灸の先生が2004年にHPを立ち上げられた。そのときご依頼を受けて、「スケッチ&コメント」と「経済学」を始め、知人、友人に一方的に「転送」して今日まで続いている。独断と偏見にも関わらず、ご愛読いただいている方には、ただ、ただ、感謝である。

「おはよう世界」というBS番組に重宝している。今朝もブルームバーグ、英BBC,フランス・ドゥ―、ドイツZDF,スペインtve,ロシアRTRとその時々のニュースを教えてくれる。NYダウは、前日比129高、11,107ドルで、昨日と地合いが全く違った。昨日は株安・ドル高、今朝は株高・ドル安で、一時1ドル=80.84円までドルが下げたと報じた。

英国では810億ポンド(約10兆円)の歳出削減案を議会に提出した。フランスでは年金改革を巡るストライキで軍隊がゴミ収集に乗り出した姿を放映していた。一方、ドイツでは経済景気見通しを当初の1.4% 増を3.4%増へ上方修正、雇用も30万増え、ドイツ商工会議所のお偉方のニコニコインタビューの様子を紹介していた。

中国が、貸し出し金利を5.31%を5.56%へ、預金金利を2.25%から2.5%へそれぞれ0.25%引き上げた。不動産バブル退治が目的のようだが、追加利上げが予想されると20日付けのWSJ紙が書いていた。中国の9月までのGDPが本日発表される。G20を控えてレアアース禁輸報道も含めて、中国は政治的に「経済」を利用するから要注意だろう。

株高・ドル安、米国経済は住宅、商業用不動産部門は回復していない。本来なら株安だが、悪いデータが、「追加金融緩和」を示唆して、株が上がる。つれてドル安。薬(量的緩和)で血圧を上げ下げしている病人と同じであることを、見て見ぬ振りをしているにすぎない。

日銀がリスク債券買い上げを決めた。米FRBはドル垂れ流しを続ける。G20は不発で終わりそうだ。10月11日付けの日経朝刊に、公的年金、来夏メド、給付拡大に備え、新興国株にも投資と出ていた。新興国株を、公的年金が運用出来るのか、本気で心配している。(了)

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偶然は必然か?ドル下どまり、株、原油、金大幅安(学校で教えてくれない経済学)

2010-10-20 09:39:10 | 経済学
日本画家、猪熊佳子さんの個展会場、画廊「一心堂」を尋ねたあと、豊臣秀吉の菩提を弔って、秀吉夫人、北政所(ねね、出家して高台院湖月尼と号す)が慶長11年(1606)に建てた高台寺にお参りした。徳川家康が多大の財政援助を行ったので造営時は気宇壮大だったと言うが、たびたびの火災で、現在では、霊屋(おたまや)など一部しか残っていない。

帰路、画廊「たず」を尋ねた。11月24日から岡山「天満屋」で開かれる日本画家、森田りえ子さん個展出品の描き上げたばかりという糸菊の絵の一部を偶然、拝見できた。「たず」の数軒隣に坂本龍馬、お龍「結婚式場」跡をたまたま見つけた。高台寺境内前では、これまた、偶然、日本画家、竹内栖鳳邸跡を見つけた。

たまたまついでに言えば、札幌在の同窓のTさん夫妻とJR芦屋駅でばったり出会った。画廊「一心堂」で、日本画教室の昔の仲間のKさんと偶然出会った。高台寺にお参りできたのも、Kさんが京都まで来たのだから、お参りしたいとたまたま言いだしたからである。

今朝、CNBCテレビが、バンカメが出した住宅ローン不良債券の買い戻しレポートと中国の予想外の0.25% 利上げ報道を嫌気してNYダウが200ドル以上下げる場面をたまたま写していた。結局、前日比165ドル安の10,978ドルで落ち着いたが、金融株が下げをリードした。「過去の経験則に照らせば、金融株の下げは年末にかけてダウが下げ足を早める予兆かもしれない」と専門家の堀古英司氏が、テレビ東京の今朝の番組で、話しておられた。

この日、下げたのは株価だけではない。原油、金、プラチナなど商品相場も軒並み暴落した。「追加金融緩和」を「謳い文句」に、株も金も上げて来た。相場の世界では、「うわさで買い、現実で売れ」という格言がある。人が相場を動かしていると思うと間違う。水鳥だと思えば分かり易い。彼らの日常は戦争。命掛けだから逃げ足が速く、深追いしない。

「魂の昭和史」(福田和也氏著、小学館文庫発行)をたまたま読んでいる。「僕たちが生きている今の日本は、昭和初めの日本と全く同じで、先が見えないという不安は、抜き差しならないところまで来ている。」と書いていた。日本は負けると分かっていたアメリカとの戦争を始めた。人はやるが、水鳥は負け戦はやらない。木は葉を落とし「冬眠」する。

今朝のテレビ東京の番組に出演した金(ゴールド)の専門家、豊島逸夫氏は「バ―ナンキ米FRB議長のことばである「異例なほど不確かな時代」を引用して、「30年、金の商売をしてきた。今の金相場は異常である。ついていけない。」と話していた。この日は、外国為替市場で、「追加金融緩和」を材料に一方的に売られてきたドル相場の下げも、1ドル=81.50円前後で止まった。これはたまたまでなく、水鳥が餌場を離れたのかもしれない。(了)

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アメリカという木は葉(ドル)を落として生き延びようとしている?!(学校で教えてくれない経済学)

2010-10-19 09:29:45 | 経済学
日本画家、猪熊佳子さんの個展が、10月19日から25日まで,一心堂画廊(075-211-1013)で開かれている。今回の個展紹介の中に「山や森を巡っていると言葉には置き換えられない不思議な感覚に満たされることがあります。人間が生命の循環の中の一部であるという畏れの感覚のようなものでしょうか。」と書いておられる。

日本画家、堀文子さんの言葉を集めた「ひとりで生きる」(求龍堂発行)という本がある。その本の一節に「秋に葉を落とすのも、木が学校で教わったわけではないのに、生きていくための戦略をちゃんとやっているのです。無意味な消耗をさけて冬は葉を落として冬眠しているのです。」という言葉が出て来る。

「どうして人間に「冬眠」という素晴らしい能力を神からいただけなかったのか。いきづまったら、冬眠する。そうすれば無駄な喧嘩も競争もしなくていい。人間は冬眠出来ないから永遠に闘い続けている。」と書いておられる。

10月22日から[相楽園](078-331-5155)で開かれる60歳からデビュ―、美術作品展に「いのち」という題名で白木蓮の10号の日本画の作品を昨日、搬入した。寒空の中、空に突き出た木蓮の見事な花に内に秘めた「いのち」を感じて夢中でスケッチした絵である。

木蓮は2月に、一枚の葉も付けずに文字通りむき出しの枝につぼみを付け、3月にはいると一気に開花する。花をすっかり落としたあと、4月に入ると芽を出し、瞬く間に緑一杯の茂みになる。10月半ばのいまも青々と繁っている。なんと、昨日、近くのお宅の木蓮の茂みをよく見ると、枝の付け根につぼみの赤ちゃんが顔を見せていた。

秋のことを英語ではautumn(オータム)だが、別名fall(フォ―ル)とも呼ぶ。米国で3年ばかり生活したときの思い出がある。大陸性の気候の特徴なのだろうが、文字通り一夜にして、木が葉を落とし,丸裸になる姿を目にした。フォ―ルという言葉を実感した。堀文子さん流にいえば、木は来るべき春の活動に備えて「冬眠」に入るのであろう。

話は飛ぶ。相場の世界に「休むも相場」という言葉がある。相場が休みたがっているときには休めばいいことを教えている。鏡に自分の顔を写してみると、からだが休みたがっているかどうかを一番わかり易く教えてくれる。からだの芯が疲れた時、ひとも生き物だから植物や動物と同じように病気になる。「冬眠」という自然の摂理から学ぶことは多い。

18日のNYダウは、「追加金融緩和」期待から先週末比80ドル高、11,143ドルで取引を終了した。悪いデータが出れば出るほど「追加緩和」期待から株が上がり、ドル安が進む。アメリカという木が葉(ドル)を落として生き延びようとしている姿かもしれない。(了)

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ドルの弱体化は、米国の弱体化:歴史学者ポール・ケネディ(18日読売朝刊)

2010-10-18 19:30:21 | 経済学
(学校で教えてくれない経済学)





「ドルの弱体化を望むのかー通貨と国力」と題して、歴史学者のポール・ケネディ氏が、「地球を読む」(18日付け読売朝刊)に、「ドルの弱体化は、米国の弱体化である。ドルが弱まれば弱まるほど、つまり他の通貨の価値が高まれば高まるほど、米国の国際的重みは減少する。」と書いていた。

同窓のAさんから今朝もらったメールに「円高ではないドル安だと書くマスコミが最近増えて来た。さる週刊誌には為替介入は国民の税金をドブに捨てるようなものだと書いていた。」と教えてくれた。日本では「円高は悪、円安は善」が依然として主流である。筆者は、性懲りもなく、自国通貨の価値が上がって、悲しむ人間の気がしれないと書いてきた。人間、一端刷り込まれるとなかなか改まらない。特に、日本人にその傾向がひどいようだ。

一方、14日付けのWSJ紙日本版に、フリージャーナリスト、肥田美佐子氏が、「コロンビア大、オハロラン教授が見る「通貨戦争」のリスク」と題する同教授との一問一答の中で、「量的緩和(低金利政策)は、ある時点を超えると、機能しなくなる。余ったマネーの大半は、新興国へ流れ、資産バブルをもたらす。」と語ったと紹介していた。チリでの落盤事故も、投機マネーの乱入で急騰した資源バブルの犠牲者かもしれない。

低金利の長期化でコストをカバー出来ない金融機関による、貸し渋り、貸しはがしが日本でも、起こった。オハロラン教授は、「ゼロ金利の長期化で、多くの金融機関がコストをカバーできなくなってきている。肝心の米中小企業に対する貸出し姿勢が益々シビアになる。その結果、景気回復は益々遅れるだろう。」と指摘していた。

ケネディ教授に話を戻す。「オバマ大統領は、良かれと思って、人民元切り上げ、つまり人民元強化を中国に求めている。人民元が上がれば一部の米企業には利益が出る。だが、米国の経済全体が受ける恩恵は、はるかに小さい。」と指摘している。

そのまま日本に当てはまる。特に日本は資源の99%を海外からの輸入に依存している。ドル安がこの先さらに進めば、国際相場急騰は加速化するだろう。通貨価値低下(円安)が進めば進むほど、日本は割高な値段で海外から食糧含む資源を調達しなければならない。

ケネディ教授は「人民元を切り上げれば、ドルの弱体化はますます進む。これを見て、アジアやアフリカ、中南米の各国政府は、保有外貨のドル離れに着手するだろう。だが、目下のところ、米国政府と米連邦準備制度理事会は、聞く耳を持っていないらしい。経済をさらに刺激し、ドルをさらに刷り増しするつもりのようだ。」と指摘していた。

お金は血液に例えられる。栄養価の乏しい血液(通貨安政策)に騙されてはなるまい。(了)

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日本画家・猪熊佳子さんの個展開催のご案内

2010-10-18 10:10:40 | スケッチ
写真クリックで拡大

 
                                        「煌めく森」SM 猪熊佳子




スケッチ&コメントをご寄稿頂いているKenさんからのご寄稿です。

≪Kenさんの師匠、日本画家、猪熊佳子さんの個展が京都、一心堂・画廊で開催されます。お時間許せばお運びいただければありがたい。≫





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菊の花(スケッチ&コメント)

2010-10-18 04:57:43 | スケッチ



菊の花

江嵜企画代表・Ken



神戸三宮のお馴染のフラワーショップ「潤」を尋ねた。菊のシーズン到来で、いろいろな種類の菊が店頭に並んでいた。「私を描いてよ」、とウインクしてきた花があった。

色は渋みのあるえんじ色だったが、花全体がはつらつとしており、勢いを感じた。自宅に持ち帰り、花の気持に負けないように、一気に筆を走らせた。気持ちで負けると絵自体に勢いが出ないからこわい。(了)

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日銀が「禁じ手」に手を出しはじめると危ない?(学校で教えてくれない経済学)

2010-10-17 10:56:57 | 経済学
「経済教室」(10月15日付け日経朝刊)に「日本がデフレ不況に陥ったのは消費が低迷したからだ。①現役世代の賃金所得上昇が止まったこと、②人口の高齢化、③利子所得の消滅が重要な役割を果たしている。」と中前忠氏と斎藤朋子氏が書いておられた。大いに注目される記事であろう。

「景気指標」(10日11日付け日経朝刊)に「ルビコン川を渡った日銀」の見出しで、土屋直哉編集委員が、日銀が「包括的金融緩和策」として、ゼロ金利復活に加えて、指数連動型上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(REIT)を新設基金による買い入れを決めた。中央銀行の禁じ手であるはずのリスクマネーに日銀が踏み込んだ。」と指摘していた。

不慣れなことや「禁じ手」に手を出すと成功したためしがないことは歴史が証明している。

バ―ナンキ米FRB議長がボストンで15日講演し、「量的緩和政策に一段と踏み込む」と発言した。ところが、15日のNY債券市場は、債券が売られ、10年物国債の利回りは年2.571% へ反転した。「量的緩和」は「利下げ」を催促するが逆に上げた。」と15日付けのWSJ紙は書いていた。

15日のNY商品先物市場では、バ―ナンキ発言で株価も反応なし、一方、原油、金などこのところ「量的緩和」を材料に上げていた商品相場が反落した。CNBCテレビのコメンテーターは「14日から流れが変わった」とグラフを示して力説していた。

原油はバレル84ドルまで上げたが、81ドル台まで反落した。OPECが生産枠据え置きを決めた背景を指摘する向きもあるが、「量的緩和」を材料に流れ込んでいた投機資金が「様子見」のスタンスに変わったのかもしれない。

「量的緩和」はドル安を連想する。原油同様に金相場も「ドル安」を追い風に史上最高値更新を続けていたが、トロイオンス1,400ドルを目前にして1,370ドル台へ後退した。プラチナも同1,707ドルまで付けた後、利益確定の売りが出て、1,670ドルまで値下がりした。

水鳥の動きと同じで、投機資金は「逃げ足が早く、深追いしない」。中国人の行動を見ていると水鳥に近い動きをする。日本人は一度決めると梃子でも動かないところがあり、しかも、変えないことを美徳としているところがあるから特に外交で臍をかむことが多い。

近くの喫茶店では「量的緩和」も「ゼロ金利」も話題にならない。しかし、昨日、神戸市が30歳以下を除き、ベースアップを停止したことを珍しく話題にしていた。震災後15年経過し、神戸空港の累積赤字も重なり「機能不全」の症状が出始めたようだ。老人が増え、利子所得消滅、日銀が「禁じ手」に手を出した。警戒するに越したことはなさそうだ。(了)

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チリ沈着リーダー称賛;10月15日付け朝日朝刊(学校で教えてくれない経済学)

2010-10-16 08:20:17 | 経済学
チリ落盤事故33人全員救出関連のニュースで、朝日朝刊(10月15日)のチリ北部コピアポ発の平山亜里記者が書いた「チリ沈着リーダーの称賛」の見出しの記事が一番印象に残った。リーダーの名前はルイス・ウルスアさん(54)である。

その記事によれば、ウルスワさんは、「外界と連絡が取れない時も規率を維持し、食料を分配、救助を信じて常に冷静に対応し、仲間がパニックになるのを防いだ。一緒に働いたことがある作業員は「彼は生来のリーダー」と絶賛している。」と書いていた。

「規律を保ちながら、救援を待たなければならない。だが、その間全員を自分が束ねてコントロールするのは難しい」と考えた。「そこで責任を分担するため、三つの班に分けてそれぞれの班長を任命。1日24時間も3分割し、「仕事班」「睡眠班」「休憩班」に分けて過ごすことにした。」という記事結びの文章が特に印象的だった。

同記事によれば、ウルスワさんは地形測量士で、鉱山勤務30年以上のベテランだが、落盤事故があった8月5日時点では、サンホセ鉱山で働き始めてまだ2ケ月だった。同じ班で働いたことのある作業員は「物静かであまり話をしないが、しっかりして指導力がある」と話す。

「落盤事故の直後、3人を坑道内の探索に行かせ、自分たちが閉じ込められたと知ると食料の「配給制」を断行。手元に残っていた2日分のツナ缶と牛乳から、48時間ごとに1人当りツナはスプーン2さじ、牛乳はコップ半分に制限した。」とレポートしていた。

平時のときは何ごともなくとり運ばれることが、ひとたび事故に巻き込まれると、正気を失い、ひとびとはパニック状態に陥る。頭では分かっていても、いざ自分自身に降りかかって来た時に、いかにとっさに対応できるか。特に指導者に求められる資質であろう。

一方、今朝のスペインTVEは「今年だけでチリの鉱山の落盤事故で既に32名死亡している。今回救出された作業員の一部は鉱山会社に損害賠償を求めて提訴することを決めた。家族の中には「2度と鉱山に戻らないで」と訴えている。」と紹介していた。今回の救出に伴う費用は2,000万ドル(約16億円)と伝えられる。相場急騰に伴う光と影であろう。

15年前の阪神・淡路大震災の際、近くのコンビニ店の棚の食べ物と水は瞬く間に姿を消した。当時、神戸の人は冷静沈着に行動したと現場を見たかのような記事も見られた。神戸は表向き復興した。しかし、震災の経済的打撃は甚大で、二重ローンをいまだ返済出来ない個人や赤字都市に転落した神戸の財政に今なお暗い影を落としている。災害は忘れた頃にやってくる。リーダーの資質とは何かを含めてチリの落盤事故から学ぶことは多い。(了)

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お江(おごう(崇源院):楽問塾会場風景(スケッチ&コメント)

2010-10-15 10:25:43 | スケッチ



お江(おごう(崇源院):楽問塾会場風景

江嵜企画代表・Ken



お江(おごう)(崇源院)の話を聞けるというので家族と、大阪市内、谷町6丁目の会場まで出かけた。お江が、来年のNHK大河ドラマの主人公であることも手伝ってか、会場はほぼ満員、ご婦人の姿も結構多く見られた。いつものように会場の様子をスケッチした。

語り部は笠谷和比古氏(国際日本文化研究センター教授)で、氏は、魂を捨てた昨今の日本人を「武士道」で甦らそうと各方面で講演活動も行っておられることを今回始めて知った。午後7時から質問いれて9時半までの時間を堪能した。

彼女の父は、浅井長政、母はお市の方、信長は伯父、淀殿は姉、秀吉はその夫、秀頼は甥、徳川秀忠は彼女の夫、家康は舅、彼女の男子は、三代将軍家光、女子には秀頼夫人の千姫、後水尾天皇の中宮となった和子(まさこ)(東福門院)がいる。和子は女帝、明正天皇の母である。

笠谷氏は、「女系の系図に置き換えてみれば、見えない歴史が見えて来る」と力説された。伊達騒動も女系によって読み替えられると話した。

徳川家康は関ヶ原で勝ったにも関らず千姫はなぜ秀頼に輿入れしたのか?秀頼は六十五万石の大名に転落したというが、それは秀頼の直轄領のみで、臣下の領土を含めれば減っていない。

徳川は将軍家、豊臣は関白家。二重公儀体制をとった。大名も東は徳川、西は豊臣と東西分治で共存共栄路線をとった。秀頼と千姫との婚姻が教えている。

後水尾天皇は家康が擁立した。徳川和子の入内は家康の外戚戦略であった。女系を駆使した家康の政治戦略・国家構想が読み取れると話を結んだ。

質疑応答の中で、筆者は、「お江のみ土葬でなく火葬されたというが事実か。それはなぜか。毒殺か」と聞いた。笠谷先生は「荼毘に付されたのは事実です。毒殺はないでしょう。伝染病ではなかったか。」と答えていただいた。

氏は自分は少数う意見だとおっしゃったが、女系の系図で歴史を読み説くという、新しい歴史の視点を教えられ、笠谷和比古氏に感謝したい。

今回の「お江」は、「楽問塾」(国際生涯学習センター)(06-6764-1282)が「日本の国を創った七人の女サムライたち!」シリーズとして取り上げたテーマである。次回は昨年、大河ドラマで人気を博した『篤姫』(11月18日)と予告に出ていた。(了)


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