ドクダミ&朝顔
江嵜企画代表・Ken
わたしのことも忘れないでとドクダミからかねてから声をかけられていた。
忘れてはいない。ただ、新参者とはいえ、チュ-リップや水仙、バラなど
についつい目が向いてしまっていた。
ドクダミに催促されて、昨日、例の更地でスケッチした。昨年咲いて種を
落とした朝顔が、まだ小ぶりだが控えている。まとめて記録にとどめた。
更地のドクダミの先祖について、祖母は、生前、彼女の出生、福井家の
庭から祖母が持参、大正8年、祖父が家を建てた時に庭に移植したと話
していた。その家も、67年前の米軍の爆撃は耐えたが、18年前の震災
にあえなく倒壊、あと地の一部が更地となった。
福井家は、江戸時代、庄屋「山路荘」だった。庄屋は名字帯刀を許されて
いた。宝暦元年辛未正月吉日、福井平捌老と書いた脇差を入れた箱が
脇差と共に、手許にある。宝暦元年は1751年である。今のドクダミは
その子孫である。
ドクダミをヤフーのブログで検索した。4枚の白色の総苞(花弁に見える
部分)のある棒状の花序に淡黄色の小花を密生させる。日本では山菜と
して天ぷらなどにして賞味される。花開期に地上部を乾燥、生薬名、十薬
は、利尿作用、動脈硬化の予防薬とされる。湿疹、かぶれなどには、すり
つぶして貼りつけるなどと出ていた。
祖母はオデキの吸い出しに効く、と話していた事を子供心にもよく覚えて
いる。乾燥したドクダミをお風呂に入れると、体が温まる。ただ、
ドクダミには、独特の臭みがある。名前がドクダミということで、敬遠され
がちになるのかもしれない。
ドクダミを描くことを決して忘れていない。毒にも薬にもならないと言え
ば、言葉は悪いが、ドクダミの名誉のために敢えて言う。うわべだけ取
り繕って、実行が全く伴わないタイプの人間が、日本でも増えて来た
ことは、さびしい限りである。(了)