一度紹介したことがあるが、八幡俊という人の『自分を強くする本』を座右の書としている(46年前に発行されたもので、残念ながら今は絶版)。その中に、頭の働きのうち何が重要か、という箇所があって、記憶力・推理力・想像力、の順で重要になるのだという。記憶力に悩んでいた学生時代に読み、心強く思ったものだ。
言われてみれば、記憶力やら推理力は、コンピュータでも難なく出来そうだけど、想像力となると、そう容易ではなかろう。そしてこれは、創造力にも繋がっていくのだと。
で、ここからは卑近な話題になっていく。
鳩山さん。自分の発した言葉で責められてはいるが、本人が一番苦しんでいるだろうと思う。為政者に好き勝手されたら困るんで、褒められることはないにせよ、普通だったら〈イジメ〉もいいところ。「しっかりせい!」という意味合いもあるんだろうけど。(しかし今の世の中、政治家はやりにくかろう)
小沢さん。影の実力者ということでこれまた非難されているけれども、ひょっとしたら日本のことを真剣に考えているのかもしれないし、私生活ではとてもいいおじいちゃんなのかもしれない。
さらには、もの凄く真面目なお笑い芸人がいたり、お調子者のエリートだっているかもしれない。沢尻エリカしかり、岡田監督しかり。
…かように、世間で思われているイメージと逆のことを考えるというのは、アタマの柔軟性にはいいことだと思う。
また、本社(中央)と支社(地方)とでも、同じことは言える。本社は「支社は好き勝手なことやってる」と思っているだろうし、支社は支社で「現場も知らないで勝手なこと言っている」と思っているだろうが、逆の立場になれば、そうとばかりも言えないことがわかるはず。
あるいは、イヤな上司だって、家に帰れば子煩悩なお父さんなのかもしれない。
週刊誌をはじめとするマスコミ。見てもらえない、読んでもらえない、じゃあ商売にならないから、ある程度センセーショナルにするのは当然といえば当然。NHKより民放の方がその傾向が強いのも頷ける話(同じスポーツ中継でも、NHKの方が淡々としている)。いかな大新聞だって、売れなきゃしょうがないんだし。
どうでもいいことを大きく取り上げるのも、仕方のないこと。だから、マスコミから距離を置くほど精神的に強くなれるものらしい。(確かこれも『自分を強くする本』に書いてあった)
まあ想像力だから事実とは違っているかもしれないが、それはそれで人間の特質として、創造力・発想力と併せて充分活用するのがいいのだろう。
ただ、不安や恐怖といったネガティブな思いを倍増させてしまうこともあるので、使い方には一定の注意も必要。
たとえば44年前、ビートルズが来日した時、世の大人たちは「不良の親玉が来る!」とでもいったイメージを持ってたらしい(今考えるとバカバカしいくらい)。
さて、あなたのそばにいる人は、あなたの持っているイメージとはまた全然違う人なのかもしれない。「え、昔そんなに凄かったの?」とか「いや実は立派な血筋だった」なんてことは、よくある話。(僕がこんな文章書いていることなんて、おそらく誰も知らないはず)
そもそも、いくら親しいからって、その人のことを100%理解することは不可能。知らない側面もあった方が、面白いに違いない。