職場にしろ飲み会にしろ、話題には3種類あるんじゃないかと思う。
第一の話は、会社あるいは仕事の話。人の噂話含めよく出てくるもので、赤ちょうちんでも毎晩繰り広げられているところ。ただ個人的には、飲み会で仕事の話なんかしたくはないし、飲んでまで会社の話なんて、芸がないというか。
第二の話は、自分あるいは趣味の話。会社や仕事の話の次に出てくるのはこういった話題になると思うが、自慢話もよくあるし、聞いてて面白い話というのはそう多いものでもない。
で、第三の話として、もっと範囲の広い、普遍的な本質的なものになってくる。首相交代やら高速道路料金の話も、噂話の延長に過ぎないし、もっと大きな、政治なら政治自体の話、それから世界の話とか素粒子の話とか素数の話とか、僕はそういう話をしてみたい。
誰それがどうだのこうだの、帰納的に何かにつながればいいけれど、上っ面だけの話、ただそれだけって気がする。どれだけ一般化できるかが、重要だと思う。
ただ残念ながら、そういう話は滅多にできない。自分の話以上に自分自身をさらけ出す必要があるし、ある程度の知識と自信がないとできないから。僕はしたくても、相手がいなくてはどうしようもない。そういうわけで、飲み会のあとはいつもモヤモヤした不完全燃焼の気分に陥ってしまう。
学生時代、非常にウマの合う友人が1人いて、日本酒やらワインやら飲みながら、ひと晩中話し込んでいたものだ。それこそ宇宙の話から女の話、死後の世界の話なんかも。経験ない人にはわからないかもしれないが、脳ミソがあちこち刺激されて、ワックワクしたものだ(一種のブレーンストーミングみたいなもの)。
社会人になればそういう関係はなかなかないよ、とは言われていたけれど、25年経った今でも、寂しく思っている。
そいつは今関西に住んでいるから滅多に会えないし、会っても昔と同じとは行かないかもしれない。
だから今考えているのは、大学生の息子(こいつはだいたい話が分かる)に酒を覚えさせて、一緒に小難しい話をしてみるかってこと。ただ、しょっちゅうだと嫌がられるかもしれない。
いやひょっとしたら、その辺の居酒屋には同じような思いを持つおっちゃんもいるのかも。飲み会か、ひとり家で飲むばかりなんで、たまには飲み屋でも入ってみるか。
…またまた青臭い話になりました。でも僕は、いつまでも青臭い話がしたい。