STAP細胞に関する論文が、ついに撤回されるらしい。
今年1月に華々しく報道された際は、弱酸性の液に通すだけというその簡単さに皆さん同様、ににわかには信じられなかったのだが、世界的科学誌『nature』に掲載されたということだし「きっとできるんだろうなあ。凄いもんだなあ」と思ったもの。
その後の経過はご存知のとおり。どろどろしたものになってしまった。(科学の世界とはいえ、最後に顔を出すのは“人間”)
真相は僕にも分からないが、小保方さんがあれだけ言い張ったのには何か裏付けがあるような気もする。だから何年後、何十年後かに、違った形で「STAP細胞発見は間違いではなかった」とでもいったニュースが世間を賑わすのではないかと思っている。
彼女もマスコミに出ることはなくなり(その時点その時点で全然別の人が話題になっていることだろう)とうに忘れられているはずなので「オボカタさん? ああ、そういう人いたねー」ということになるに違いない。
ひょっとしたら白髪交じりになっているかもしれない小保方さん(姓も違っているかも)がインタビューに答える…とでもいった光景が。
間違いと思われた結果から大きな成果が得られるのも、科学(いや人間世界)の歴史。コロンブスの新大陸発見にしろ、エジソンの電球発明にしろ、フレミングのペニシリン発見にしろ。
…話が小難しくなったので、どこかで読んだ小話を一つ。
あの世で歴代の5賢人が「人間にとって大切なものは何か」を話し合っていた。
ソクラテスが頭を指差しながら「それは理性です」と言えば、キリストが胸に手を当てながら「いや、愛こそすべて」と言う。次にマルクスがおなかをさすりながら「腹が減っては何にもならない。物質こそ大事」と言うと、フロイトがもう少し下の方を指しながら「いやいや、本能ほど大切なものはない」と言う。
これを聞いていたアインシュタインが最後に「まあ何ごとも、相対的なもんじゃよ」と。