名曲『明日に架ける橋』の原題は“Bridge Over Troubled Water”、映画『未知との遭遇』の原題は“Close Encounters of the Third Kind”。このように、原題と邦題とで違っていることがある。
先月NHK-BS2で始まった『刑事コロンボ』、中学から高校にかけて、よく見ていたものだ。その面白さはともかく、感覚の違いもあるのか、原題は分かりやすい邦題とは多少かけ離れている。そこできょうは、アメリカ人が感じているように原題を訳すことを試みてみた。
1.構想の死角“MURDER BY THE BOOK”
犯人役:ジャック・キャシディ(声・田口計)
"BY THE BOOK"とは「教科書どおりの」という意味なので、ストーリーも考えて「筋書きどおりの殺人」でどうでしょう。
2.指輪の爪あと“DEATH LENDS A HAND”
犯人役:ロバート・カルプ(声・梅野泰靖)
"LEND A HAND"とは「手を貸す」という意味である。殺された女性のコンタクトレンズがポイントになっていることから、ちょっと難しいけど「死人に口あり」でどうでしょう。
3.歌声の消えた海“TROUBLED WATERS”
犯人役:ロバート・ボーン(声・西沢利明)
これは慣用句のようで、そのまま「荒れた海」としたいところだが、どうも奥さんとの仲も悪かったようなので、「人生の荒波」でどうでしょう。ちなみに『明日に架ける橋』の方は、「激流に架ける橋」ってところか。
4.権力の墓穴“A FRIEND IN DEED”
犯人役:リチャード・カイリー(声・北村和夫)
これもなかなかいい作品。友人同士でアリバイを作り合うところから「真の友達」で。
5.野望の果て“CANDIDATE FOR CRIME”
犯人役:ジャッキー・クーパー(声・中谷一郎)
"Crime"は「犯罪」という意味なので、「犯人候補者」でどうでしょう。
なおジャッキー・クーパーは、映画『スーパーマン』でデイリープラネット社の編集長役をやっていました。
英語好きな方、よかったら考えてみて下さい。
ところでこの『刑事コロンボ』、昔は家族総出で見てたものだが、今の僕の家族はまったく興味ないらしく、僕一人で見ているところ。静かでいいんだけど。
…あ、もう一つだけ。吹き替えの小池朝雄氏はとうに亡くなり、主演のピーター・フォークは今、アルツハイマーなんだそうだ。2人とも僕らをずいぶん楽しませてくれたのに、お気の毒。