思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

2004年私の音楽体験ークラシックの10枚 (趣味?)

2005-02-21 | 趣味

完結しましたので、一括して、アップします。
パート1~4として4回に分けてアップしたものは、重複するので、削除しました。


2005/01/11のBlog

2004年クラシック私のベストテンーその1


まずは、アルゲリッチの新譜を2枚、
共に、ネコ科の動物のようなしなやかさで、刺激的なピアノです。

?ベートーベン・トリプルコンチェルト と シューマン・ピアノ協奏曲 指揮はラビィノビッチ、(EMIの輸入版 5 57773 2)
 両曲とも従来の演奏にみられた重さや粘りがなく、爽快でとても気持ちのよい演奏です。相変わらずアルゲリッチの技量の高さには唖然!とさせられます。

?プロコフィエフ「シンデレラ」 と ラベル「マ・メール・ロア」二台のピアノによる演奏です。もう一人のピアニストは、なんとミハエル・プレトニョフ。「シンデレラ」は、プレトニョフの編曲によるものです。
(グラモフォンの輸入版 00289 474 8172)
「シンデレラ」は実に面白い曲です。知的にも身体的にもエキサイト!
CD盤のデザインーシンデレラの靴も楽しい。

(2005.1.11)



2005/01/20のBlog

2004年新譜推薦のパート2です。

パート2でご紹介するのは、アルゲリッチに共鳴する知性と野性を併せ持ったフランスの女性ピアニストーグリモーの二枚です。

?このCDのジャケット冒頭には、演奏者からのメッセージが載っています。要約して一部をご紹介します。

はじめにーエレーヌ・グリモー

『絶望の大海に現れる未知なる希望=愛、愛はコミュケーションそのもの。音楽家はそのやりとりを始める者。肝心なのは演奏家でも音楽でもない。重要なのは聴衆。

どの人間にも知られざる別の人間が内在している。人は、変貌し新しい自分を見出さなければならない。己の方を向くのではなく、永遠に向かって歩いて行くのだ。

過去を懐かしむのではなく、創造的未来に答えを見出せばいい。普遍への歩み、相反する万物が和解に向かっていく動きを。それは規則正しく鼓動する私の「命」そのもの。』

エレーヌ・グリモーは、神秘的で、快活、奔放で、真面目、知的で愛らしい1969年生まれのフランスのピアニストです。
私は、ベートーベンの合唱幻想曲が好きで(「白樺教育館」落成記念の音楽)、このCDを買ったのですが、これは、通常のクラシック音楽のCDではなく、プログラム自体が強いメッセージ性をもっています。
野生のオオカミの保護活動に取り組むグリモーの精神を暗示するかのような選曲です。現代曲で始まり、ベートーベンの「テンペスト」、「合奏幻想曲」、現代作曲家ペルトの大規模は作品「クレド」。最後に付録でバッハの小品。類例のない大胆な選曲です。
ジャケットもグレモーの刺激的な言葉が満載です。とても只の「ピアニスト」には納まらない魅力あふれる人間がつくるアルバム=「クレド/エレーヌ・グリモー」(グラモフォンUCCG1184-2548円)をぜひお聴き下さい。バックは、サロネン指揮、スウェーデン放送オーケストラ・合唱団。

?もう一枚は、4週間ほど前に再発売になった1985年―グリモー15歳の時の初録音。清新、若さのみが可能にしたリリシズム、そしてパワー。ラフマニノフがコートを脱いでいます。このすばらしい「野生の調べ」は、1050円で買えます。買わないと損!
ラフマニノフ・ピアノソナタ2番、音の絵、他(DENON―COCO 70754)

(2005.1.20)



2005/02/03のBlog

ベストクラシックのパート3です。(順位はありません)

今回は、ニコラス・アーノンクール指揮のハイドンとバルトークです。

?一枚目は、バルトークの最高傑作・「弦楽器・打楽器とチェレスタのための音楽」と「管弦楽のためディヴェルティメント」です。

「弦・打・チェレスタ」の冒頭は、人の声=肉声に聴こえて、ギョッとします。それほどまでに完璧なバランスでオーケストラが鳴っているのです。

しかも学究の徒でもあるアーノンクールのすごいところは、ピエール・ブーレーズのように、分析的・楽曲解説的演奏に陥ることが全くないことです。豊かで伸びやか、表現力に満ち、音楽が自然に息づいています。

20世紀最高の作曲家のひとりーバルトークの内面の声を直に聴くような見事な演奏です。オーケストラは、ヨーロッパ室内管弦楽団、しなやかで柔らかな響きです。
(RCA、BVCC-34109、2548円)


?二枚目は、ハイドン晩年の傑作「天地創造」です。

旧約聖書とミルトンの「失楽園」を元にした台本(ヘンデルの依頼で書かれたもの)による宇宙創生の物語ですが、平明で美しく、楽しいオラトリオです。絵画的で、次々と場面が変わり、長さを感じさせません。

天王星の発見者として著名な音楽家のハーシュエルをイギリスに訪ね、彼の天文台で惑星などを見せてもらったことも作曲の動機になっているようですが、ハイドンの宇宙への開眼・感動が音楽に透明な快活さをもたらしているのかもしれません。

アーノンクールの指揮は、明確な理念の下、実にきめ細かく、オーケストラも声楽もほれぼれするような美しさです。録音のよさもあり、同曲のベストではないでしょうか。
(BMG、BVCD34016~17・二枚組 3780円)

二枚ともクラシック音楽界の変革者―ニコラス・アーノンクールの実力の高さ、表現者としての大きさ・普遍性を感じさせる極めて質の高い名演です。
(2005.2.3)



2005/02/20のBlog

2004年クラシック私のベストテンーパート4-完結!

?
ヒラリー・ハーンの弾くメンデルスゾーンとショスタコービッチのヴァイオリン協奏曲。ロマン主義のメンデルスゾーンではなく、20世紀の叙情性―ショスタコービッチに引き寄せられた新鮮な美しさー知的な官能性が頭脳を癒します。美しく才知溢れる若い女性―己の存在の価値を疑わない健康な心身が生み出す音楽は、深さはありませんが、大変気持ちのよいものです。(sony-SIGC16-CDとSACDのハイブリッド盤3150円、CDのみの盤は2520円)2003年の新譜です。


以下は、再発売盤です。
?
ベートーベンの交響曲の中でも、最もひとつひとつの音が、強く大きなエネルギーを持って鳴ることが要求されるのが3番「英雄」でしょう。40年間近く、第3の主要な演奏はみな聴きましたが、私にとってのベストは、いつもクレンペラー盤でした。愛想はありませんが、クレンペラーの呼吸―リズムのよさは無類の安定感と心地よさで聴く者を魅了します。2004年に再発売されたCDは、驚くほど音質が改善されていて、1959年の録音とはにわかには信じられません。余白の序曲「レオノーレ」3番も空前絶後の名演です。恐ろしいほどの力に満ちた音が完全に鳴り切っていて、心身にパワーが漲ります。
(EMI―TOCE13004-1300円)

?昨年亡くなった無冠の帝王―カルロス・クライバー、♪音符が命を持ち、いつも艶やかに輝いていた(だだし、たまにしか指揮棒を取らなかった)彼の名盤からは、1992年の踊りながら指揮をしているような、ウィーンフィルの「ニューイヤーコンサート」をどうぞ。SACD盤も出ました。1989年の演奏と共に恒例の「ニューイヤーコンサート」の頂点です。(sony-sicc334-1680円、SACDとのハイブリッド盤はsicc10008-2100円)

?
再発売の最後の推薦盤は、グルダの自由闊達なピアノです。ジャズ?のような自作の作品とモーツアルト、ドビッシー、ショパンなどを弾いた1990年のミュンヘンでのライブー『グルダ ノン・ストップ』です。12年前に買ったCDのジャケットに、私は、
happy-freedom-beautifulと書きました。うきうき楽しいピアノですが、一筋縄ではいかないのがグルダです。お聴き下さい。(sony-sicc335-1680円)

(以上、順位はありません)

(2005.2.20)





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする