自分の「欲望」をしっかり自覚し・語り・示すこと、という生の基本がないと、本質的にズルくて無責任な人間になりますね。
自分は欲望を語らず、相手に欲望を語らせることで相手をコントロールしようとする妖計は、陰湿で暗く厭らしい人間と社会をつくります。
自分の欲望を隠し持ち、妖計を用いたり、組織を使って自己実現しようと企む人は、濁って腐臭を放ちます。香料で誤魔化しているからよけいに濁って臭いですね(笑)
人間、自己に正直でないと、底なしにダメになっていきます。
欲望がなければ人間は生きていません。その欲望をしっかり見据えることからしか何事も始まらないのです。
「欲望」は、自覚し、肯定し、受け入れたとき、始めてその階段を昇ることができます。だんだんと高まりゆく欲望は、善・美そのもの(もちろんそれは「幻想」上の世界であり価値ですが、それなしには人間の生は意味を持ちません)を希求するまでになる。裸の自分を真っ直ぐに誤魔化すことなく見据えることで、段々と強く善・美に憧れる心がつくられていく。そのプロセスが人間が生きるということの内実だ、と私は思っています。
武田康弘