思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

受験を目的に生きる!?教育の本質-1

2007-03-16 | 教育

受験を目的に生きる!?
そういう少年・少女時代をおくった人は、人間的に豊かでしょうか? 自他へのが育っているでしょうか? 生きるよろこびを広げているでしょうか? 芯の強さをもった優しい心の持ち主になっているでしょうか? 余裕のある心身、豊かな実力をもった魅力ある人間に成長しているでしょうか?

私は、30年間、多くの子どもたちと深く交わってきました。多くの相談を受けてきました。多くの家庭崩壊を見てきました。目先の狭い了見や外的価値に基づくプライドによって、人生を暗く、重く、悦びの少ないものにしている人たちを見ると、「ほんとうに不幸だな」、と悲しくなります。自分で自分の首を絞めている、でもそのことに気づかない。形だけを整えようと必死になり、どんどん中身は狭く固くなる。情報に振り回され、他者の目を気にして自分の心のありよう・物事の本質を見ようとしないために、「出口のない世界」でもがき苦しむ。
そのことで一番犠牲になるのは、誰でしょうか?

ほんとうは、一つも難しいことはないのです。
自分と子どもの「ありのまま」をよく見ること。善悪を抜きに、まず、そのままを受容すること、それがはじめの=絶対の一歩です。理想・あるべき姿を追わず、目の前の現実を素直に見て、それを肯定し、受け入れるのです。

そういう心が基本としてあれば、自ずと心身は動き出します。ありのままを受け入れると、世界が変わるのです。受動的な意識・脅迫神経症のような不安定な心・他者の評価に怯える弱い精神は、だんだんと薄らいでいきます。そうして、自分がよいと思うこと、自分がほんとうにしたいと思うことに「真っすぐ」になれると、心は、積極的・能動的に、強くなります。他者がどう言うか?ではなく、少しずつ自分を信じられるようになり、心は安定を得るのです。

大人(親・教師)子ども共に、そのような心の安定・広がり・発展があってはじめて、「勉強・学習」に落ち着いてとり組むことが可能になります。「心」を豊かに強いものにすることと一緒にでなければ「頭」も鍛えられないのです。これは人間の生の原理です。けっして切り離すことはできません。 (つづく)

武田康弘

☆写真は、白樺教育館・大学クラスで(小、中学生の時から通っている染谷君と目黒さん)





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