若者に。
2007-03-26 | 教育
若者に。
「勉強、勉強、勉強、
勉強こそよく奇蹟を生む」
(武者小路実篤)
これは、 『白樺教育館』に掲げてある色紙です。
ただし、ここでいう「勉強」とは「受験勉強」ではありません。
勉強ではなく、受験勉強をするのは、ダメです。
ほんとうにダメです。
必ず実力は落ちますー物事の核心は見えなくなりますー保証します。自他に有害な「我」だけが強くなります。その方向に舵を切れば、そのような人生、これからは流行らなくなる!(笑)人生を歩むしかなくなります。
しかし、「ふつう」のではなく「有名」学校に入ることが「何らかの理由」でどうしても必要ならば、致し方ないことです。頑張るしかありません。ただし、「必要悪」であるとの認識をなくしたらお終いです。
何をし、何を目がけようと、絶対的に言えるのは、
?心を見つめる作業=システム内人間としての「心もどき」ではなく、裸の人間としての「心」を見つめる作業と
?根源的な思考力を鍛える作業(主観性の知としての哲学)と
?体を鍛える作業を
欠かしてはダメだ、ということです。
心身の実力がないのに受験成績がよい、というのは最悪人間です。
システムがつくる路線=マニュアルに乗るのではなく、
自分で、
自分の創意工夫で、
心身と思考力を鍛錬することは、
深く納得できる人生を生きるための条件です。
自他の豊かな生ー悦びの生を生むための条件です。
処世術に留まる「ためになる話」「よい話」などは、人間の存在それ自体をつまらぬものー魅力に乏しいものにしかしません。
悩み、怒り、苦しむことはいいことです。不安に陥ることはいいことです。そこから逃げずに、それを引き受けることです。「裸」の人間としての存在を大きく深く、したがって「ほんものの優しさを生きる」ことができる人間になれたら素敵です。
テクニックで誤魔化す人生ー表層紳士ー自己欺瞞(最悪のウソ)ー自我の拡張ー覇権主義・・・は、底の抜けた人生でしかありません。あり地獄・もがけばもがくほど心は落ちていきます。
私は、自分自身として生きることができる人間がひとりでも多くなることを願っています。
武田康弘