思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

実存の深みへの旅を可能とするのが民主主義というルール

2009-10-18 | 恋知(哲学)

自分の五感をフルに用いて知る。心身全体で会得する。繰り返し確かめる。よく吟味する。

そのようにして深い納得を得たとき、人は情報に踊らされることがなくなります。周りに左右され、右往左往しなくなります。

「千万人といえども吾ゆかん」という孟子の言は、心身全体で会得したことを元にして「考える」人にとっては、自然なことです。

ブレずに、足が地に付き、自信をもって生きることができるのは、幸福です。

自分自身として生きること。それは、全身で感じ知り、イマジネーションを広げ、それと共に思考することによって得られるのです。マニュアルや型どおりでは、どれほど上手に生きようと、不毛な生でしかなく、内的充実(=よろこび)とは無縁です。

皆がそのような充実した生を生きるには、民主主義の政治、民主的な倫理が必要です。交通ルールをつくり守ることが互いの交通を快適にするのと同じで、自由と平等を保障するルール社会は、実存レベルで個人が深く納得する生を営む(孟子の言は、それを象徴的に表現したものでしょう)ための条件となるのです。

多くの人が、深く納得できる生を歩める条件は、民主的倫理とルールの下で、互いを尊重しあうこと以外にはありえません。大事なのは、よく尊重すれば、深い議論が可能となり、そこから有用な思想が生まれる可能性が広がることです。討論なくしては、思想(=主観性の知)は鍛えられず、ただのドグマや仲間内の戯言にしかなりません。

わたしの人生の営みは、
知・歴・財の競争(=勝ち負け)ではなく「充実の生」を切り開くためには、どのように考え、どのように行為すればよいかを考え、提示し、それを生きることです。
思考と実践を織り合わせ、日々、哲学を身をもって生きることです。


武田康弘



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