24日(木)に、参議院の行政監委員会調査室と内閣委員会調査室の主催で、「新しい公共」をテーマにパネルディスカッションが行われます。
これは、立法府の官僚(国会議員をサポートする人たち)の意識を高めるために行われる会ですので、一般の方の参加はできませんが、極めて公共性の高い催しですので、後日、情報公開されると思います。
以前にご紹介した通り、2007年にわたしと金泰昌氏との「哲学往復書簡」が『公共的良識人』紙に連載されましたが(これは7月に東京大学出版会から本として出ます)、そこでの論争が注目され、わたしは金氏と共に、2008年1月、参議院でのパネル「公共哲学と公務員倫理」でパネラーを務めることになったのです。
金氏とわたしとの忌憚のない厳しい討論は、【主権在民】の意味を深め【官】の位置づけを明確にしましたので、以後わたしは、「公共哲学論争を巻き起こした人物」(参議院・荒井達夫論文)と評されることにもなりました。
そのようなわけで、今回も再びパネラーとして発言するように求められたのです。
以下は、その案内です。わたしに送られてきたものを転写します。
「新しい公共」について考えるパネルディスカッション
行政監視委員会調査室
内閣委員会調査室
○趣旨
前鳩山内閣では、「これまで官が独占してきた領域を公(おおやけ)に開き、新しい公共の担い手を拡大する社会制度」の構築に向けた検討が進められ、本年6月4日、「新しい公共宣言」がとりまとめられた。この施策は、現在の菅内閣でも引き継がれており、「新しい公共」の思想は、今後の我が国の国家運営の全般にわたり影響を与えることになると予想される。
しかしながら、「新しい公共」が真により良い社会の実現につながるためには、行政において主権在民=国民主権の理念が徹底されることが不可欠である。行政において主権在民=国民主権の理念が徹底されることなく、単に「官」の組織・業務のスリム化を目的として「新しい公共」に関する施策が実施される場合、「官」の役割が曖昧になり、責任の放棄となる可能性が高く、また、活躍が期待されるNPOは、天下りの多い公益法人のように、「官」が自分たちの独自の利益を図る下請け機関に過ぎなくなるおそれがあるからである。
「新しい公共」の実現のためには、「官」の意識改革が必須となる。そこで、「公共」の思想と実践に詳しい4名の有識者の方々にお集まりいただき、「新しい公共」の意義と問題点についてパネルディスカッションを行い、その成果を「立法と調査」で公表することとしたい。
○パネリスト
・郷原信郎(名城大学教授・総務省コンプライアンス室長)
・竹田青嗣(早稲田大学教授・哲学者)
・武田康弘(白樺教育館館長・哲学者)
・福嶋浩彦(中央学院大学教授・「新しい公共」円卓会議構成員)
○日時等
・日時:6月24日(木) 13:30~15:30
・場所:調査室7F大会議室
・司会:荒井達夫(行政監視委員会調査室首席調査員)