思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

東京交響楽団636回定期、ゴレンシュテイン指揮のチャイコフスキー交響曲5番に痺れた。

2015-12-13 | 芸術

いま、サントリーホールから帰宅。

指揮・マルク・ゴレンシュテイン
ピアノ・セルゲイ・カスプロフで、
東京交響楽団636回定期演奏会

曲目
ムソルグスキー(R=コルサコフ編):交響詩「禿山の一夜」作品43
チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調 作品64


クリック


きょうのメインは、チャイコフスキーの交響曲5番。
この曲は、1973年5月、当時、ベルリンフィルを超える鉄壁のアンサンブルを持ち、精緻なままに圧倒的な音圧を誇ったムラヴィンスキー・レニングラードフィルの初来日の演奏を東京文化会館で聴いているわたしは、まったく期待していませんでした。どんなかな?という興味で聴いたのです(不謹慎で申し訳けありません)。

しかし、それは見事に裏切られました(嬉)。濃やかで情感あふれる演奏に感動しました。アンサンブルは見事なまでに揃っていましたが、冷たさは皆無で人間的な優しさ満ち、終曲の高揚はもちろん、2楽章の情熱的なうねりには痺れました。機械的な個所はまったくなく、全楽章とも音楽的な美しさに溢れた名演で、指揮者の情熱を受け、オケも全力で応え、すばらしい合奏を披露しました。

ムラヴィンスキー・レニングラードフィルの超絶的な名演というのではなく、ふつうの人間による等身大の名演と言えると思います。世界最強を誇るソビエト軍(当時)ではなく、人間的な情感あふれる名演奏です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

ピアニストのカスプロフは、もの凄い才能の持ち主で、スーパーテクニックですが、残念なことに、明確な焦点を結ばず、何を言いたいのか掴めません。なんと評したらよいのか。

 

追記・このゴレンシュタイン・東響のチャイコフスキーの5番の演奏は、カラヤン・ベルンフィルよりよいことだけは間違いない。いまCDを聴いてみたが、内から湧く音ではなく、外面的で、4楽章の後半以外は弛緩した緩い演奏にしか感じらない。以前に聴いた印象通りで変わらない。昨日の演奏との差は歴然で、改めて素晴らしさ感じた。内面から湧き上がる真実の音と音楽にブラボー!!



武田康弘


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする