思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

「一番いい色のメダルが目標」ーイヤな言葉=思想です。ボルトもかつてのアリも次元が異なる生き方。

2016-08-19 | 社会批評




金メダルが目標で必死にがんばる人生、それでは、人間として情けない生き方です。東大進学をめがける、とか、ノーベル賞を取るという目標も同じこと。

具体的で目に見えるものを追い求めるのは、人間=独自の内面宇宙をもつ存在としては、情けないとしか言えないのです。

ウサイン・ボルトが眩いまでの強烈なオーラを発揮しているのは、彼の目標が、自分自身であることで伝説になること、伝説をつくることにあるからです。短距離ランナーではなく、スポーツ競技者でもなく、「偉大な人間」=人間としての誇りをめがけているからです。「人々にスピリットを与えたいと考えている」(ボルト)

かつてのカシアス・クレイ=モハメット・アリも、一流のボクサー(一八歳でオリンピック優勝、金メダルは川に投げ捨ててしまった)・ヘビー級世界チャンピョンであることを超えて、最も偉大な人間、彼の言葉では、Iam the greatest man として生き抜いたからです。一人でアメリカ政府を倒した男として知られます(ベトナム戦争反対で徴兵拒否、捕まり裁判になり、全米に反戦を訴え、キング牧師も説得し、ついに最高裁で勝利)。

彼らは、一i競技者という枠をはるかに超えて、全人的な人間として輝かしいオーラを発揮した(している)のです。

「金メダルが目標」では、人間としては、情けないのです。



武田康弘

 

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする