「自衛隊から国防軍に変わるのは、名前だけではありません。自衛隊は防衛省という行政機関にぞくする組織のひとつでしから、自衛隊は公務員でした。・・しかし、国防軍は自衛隊とはまったく違います。軍隊というのは、立法(国会)、行政(内閣)、司法(裁判所)という三つの権力と同じくらいの、独立した大きな権力をもつ「四番目の権力」と考えたほうがよいのです。国防軍に所属する人々は「軍人」という身分となり、ふつうの人とはちがった法律のもとで任務をおこなうことになるのです。・・
そのため、新しい九条には〈国防裁判所を置く〉という一文がもうけられています。人を殺すのが目的のひとつである軍人が、人を殺すたびに殺人罪でさばかれていたら、戦争はできなくなってしまいます。ですから軍隊をもっている国はには、どうしても軍人だけの法律と、軍人のためだけの裁判所〈軍法会議〉が必要なのです。」
「あたらしい九条によりますと、国防軍は、他国がはじめた戦争に協力して、世界中どこへでも国防軍は出かけていってよいのです。・・アメリカはこれまで、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争など、世界中でたくさん戦争してきました。ほんとうは日本も参加したかったのですが、九条があるために参加できず、くやしい思いをしてきました。・・・積極的平和主義とは、平和は命の犠牲の上にきずかれるという考え方です。」
「国防軍がまもるのは、あくまでも「国」であって、「国民」ではありません。軍隊のやくわりには、外からの敵と戦うだけではなく、国内の争いを武力でしずめることも含まれます。・・戦前の日本でも、民衆がおこした秩父事件(明治十七年)、足尾暴動(明治四十年)米騒動(大正七年)などのさいには、軍隊が出動して、さわぎをちんあつしました。国の安定のためならば、軍隊は国民にも銃を向けます。どこの国でも、いまもむかしも、軍隊というのはそういう組織なのです。」
以上は、『ひろば』236号ー2016年8月刊の丹 直清さんの記事「あたらしい憲法草案のはなし(抜粋)」からですが、自民党に投票したみなさんは、賛成ですか?
旧軍人やご家族の方は、いかがお思いでしょうか?
武田康弘