★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

鉛をかじる虫

2017-01-18 22:41:06 | 文学


名前だけ聞いたところではたいそういかめしいお役所のような気がして、書類の山の中で事務や手続きや規則の研究をしている所かと想像していたのであるが、事実はまるで反対で、それは立派な応用科学研究所であって多数の実験室にはそれぞれ有為な学者が居て色々有益で興味のある研究をしているのであった。
 色々見せてもらったものの中で面白かったものの一つは「鉛をかじる虫」であった。
――寺田寅彦「鉛をかじる虫」