授業の予習。
この映画、「となりのトトロ」や「パンズ・ラビリンス」に影響を与えてるのであるが、…観客というのは、つねに、トトロの背後に「ミツバチのささやき」をみてくれるとは限らない。この映画の厳しさは、それが意図を悟られないようにつくったものだったとしても、それだけでは出て来ないものである。一般には、例えば、安部公房の作品でも「夢の兵士」よりも「箱男」を重視してしまうのだが……、そんなことも考えておかなくてはならない。我々の風土は、本当は、「密かな抵抗表現」などほとんど開発してきていないのではなかろうか。勿論、それを読み解くリテラシーもない。
この前、演習の相談に来た学生にも話したが、我々は子どもよりも一四歳とか一七歳とかの思春期にこだわりすぎている。子どもの心に寄り添うとかいって、嘘ばかりついてさ……