★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

「監獄のお姫様」と「疑惑」

2018-01-15 23:21:23 | 映画


まだちゃんと観ていないが、この前「監獄のお姫様」というのをテレビでやっていた。梶芽衣子の「修羅雪姫」のパロディのような作品であったが、監獄の中での友情みたいなものが楽しく描かれ、法廷の場面はあんまりなかったと思う。昔テレビで「疑惑」という映画がやっていて、岩下志麻(被告の弁護士)と桃井かおり(被告)が、ワインをひっかけあっているのが恐ろしかった。この映画なんか、法廷の場面がおもしろく、監獄の内部はほとんど描かれない。「監獄のお姫様」は、我々の日常がまるで監獄じみていてすでに罪と罰の関係については考えたくない状態にあるのを、よくよく示唆しているのではないかと思う。宮藤官九郎は意図的にやっているとは思う。「ごめんね青春」が、彼なりの「罪と罰」であったと思うので……。