★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

廣田八幡宮を初詣で訪ねる(香川の神社16-4)

2018-01-07 18:48:40 | 神社仏閣
 

廣田八幡の良さのひとつは、狛犬がたくさんいることかな。

 
平成3年のもの。水無神社の出雲型の方が動きがあった気がする……



 

慶応3年。



この部分がどきどきするねえ……



拝殿



近所で掘り出されたところの若宮さん



境内社のみなさん。



たぬきの皆さん。

みんなで習合(集合)させられてお疲れ様でしたっ。人間様のわたくしはお札を買って幸福をせしめるので、あしからず。

太田の金比羅さんを初詣で訪ねる(香川の神社5ー3)

2018-01-07 18:35:19 | 神社仏閣
 

初詣のつもりである。

話とはかうなのです。ツイ一兩日前に、郷里の母親からわたしに手紙が來て、今度急に思ひたつて都農の義兄と一緒に讚岐の金比羅さまにお參りする。そして、そのついでに大阪見物をもして來る、歸りには何かお土産を買つて來るがお前は何がほしいか、こちらあてに返事を出したのではもう間に合はぬから、何日までに細島港の船問屋日高屋に宛てゝ、手紙を出せばそれを受取つて汽船に乘る、と、いつて來てあつたのです。やれ嬉しやとあれを考へこれを考へ、土産物の種類を三つも四つも書きたてゝ、ツイ昨日細島港あてに手紙を出したところだつたのです。
 得意氣に、わたしがその土産物の名を竝べたてゝてゐると、武ちやんは默つてそれを聞いてゐましたが、やがて考へ深さうな顏をしてわたしに言ひました。
『繁ちやん、それアお前も一緒に從いち行きね。行た方がいゝが、……土産物どん貰ちよつたちつまらん。それア行たほがよつぽづいゝが……』
 これを聞くと、わたしは愕然としました。まつたく喫驚しました。今まで全然氣のつかなかつた一大事を、いま突然教へられたやうな驚きであつたのです。忽ち胸はどきどきとしだしましたが、それもすぐ納りました。
『でも、試驗があるぢアねエけ』
『試驗どま、どうでむいゝが、お前はゆう出來なるとぢアかに、先生が落第やさせならんが』

――若山牧水「金比羅参り」


……実際に試験をさぼるワケであるが、なんとかいろいろあって……、彼の担任の先生は、何食わぬ顔で彼を及第させてあげたという。こういう出来事はいろいろな条件が揃っていてはじめて可能だったことは重要である。