こんな寒い試験は
はじめてよっ
昨日は、四国に火の玉も降ったらしい。http://www3.nhk.or.jp/matsuyama-news/20180114/0000232.html
「そこでそのお侍は、きっと狐か狸がおれを化かすに相違ないと思って、刀を抜いて追いまわしているうちに、その火の玉は宙を飛んでここの家へはいった。ほんとうの火の玉か、化物か、それは勿論判らないが、なにしろここの家へ飛び込んだのを確かに見届けたから、念のために断って置くとかいうのだそうです。となりの家でも気味悪がって、すぐにそこらを検めてみだが、別に怪しい様子もないので、お侍にそう言うと、その人も安心した様子で、それならばいいと言って帰った。お貞さんも奥でその話を聞いていたので、寝床から抜出してそっと表をのぞいてみると、店先に立っている人は自分がたった今、夢の中で追いまわされた侍そのままなので、思わず声をあげたくらいに驚いたそうです。
お貞さんは家の娘にその話をして、これがほんとうの正夢というのか、なにしろ生れてからあんなに怖い思いをしたことはなかったと言ったそうですが、お貞さんよりも、それを聞いた者の方が一倍気味が悪くなりました。その火の玉というのは一体なんでしょう。お貞さんが眠っているあいだに、その魂が自然にぬけ出して行ったのでしょうか。
――岡本綺堂「新牡丹燈記」
わたくしの研究室は、フラッシュをたくと火の玉がガラスに映る