★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

俺は炬火を翳すまい、俺は

2017-11-04 19:21:33 | 文学


・リラダンの『アクセル』を齋藤磯雄訳で読んでいたら眠くなってきたので、わたくしはやはり澁澤とか三島の類ではないと思った。この本は昭和十八年に出版されている。宮本顕治を放り込んで、この訳者を泳がしておくとは、さすが日本の特高警察はお目が高い。戦後を見越していたに違いないっ

・「俺は炬火を翳すまい、俺は仇敵を斃すまい。」(アクセル)

・三島由紀夫が軍艦マーチを指揮させられていたことがあったが、とっても惨めでかわいそうだった。三島の俳優としての演技にもそういうどんくささを感じる。わたくしは『四月は君の嘘』などで演奏した気になって興奮するような輩を好まない。でもこの漫画は好きである。

・薄汚れた『日本精神と仏教』が本棚の隅から発見されたので覗いてみたが、作者は髙神覺昇であった。院生の頃はあまりこの作者のことに気を配らなかったが、この人は、戦前はラジオで仏教を説き、戦後も『般若心経講義』でわりと有名である。『日本精神と仏教』は、ヒトラーの言葉を称揚するところで終わっているし、『靖国の精神』なんかもはや仏教徒であることをやめている感じであるが、敗戦直後の『般若心経講義』ではこれまた「日本人は全く事態が飲み込めておらぬ」みたいな調子である――。戸坂潤が確か『日本イデオロギー論』でこの人を少し取り上げていたと思う。「人間学」の危険性みたいなところで……。髙神は西田幾多郞の授業も受けていて、神道と仏教は二つであって二つにあらず、とか言っている。こういう人の影響力は侮れないかも知れない。お坊さんが葬式の時に何を語っているのか、という研究はあるのであろうか。これから宗教者の処世も見物である。

https://www.jiji.com/jc/article?g=use&k=2017110400212&p=0171104at04&rel=pv

この写真をみて、マッカーサーと昭和天皇が並んで写った例の衝撃的な写真を想起するのはわたくしだけではあるまいて……

・テレビに沖ノ島写ってたんだけど、灯台があるよな……。古代からあるのか?


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