★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

今週のニュースより

2014-12-20 23:57:18 | 思想
・東京駅100年Suicaで大混乱 「日を改めて販売」
http://www.asahi.com/articles/ASGDN2RW0GDNUTIL005.html
……ここに殺到してる人間は当然モータリゼーションを拒否し、電車だけに乗り続けるんだろうな?消費者獣の本性出す前にせめて売る方への敬意を……。JR東日本も妙な商売やってんじゃねえよ。

・ウルトラマンスタンプラリー2015
http://www.jreast.co.jp/ultraman-rally/?src=brandpanel

……こんなことやってたのか……ハンコが何日盗まれずにもつか不安だ。……

・<STAP問題>小保方氏、理研を退職 「魂の限界」
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation/mainichi-20141219k0000e040186000c.html?fr=rk
……まず、科学者が「魂」などという言葉を使っちゃまずい……たぶん、これも実在せんぞ。しかし、この事件に群がる記者はだめだったなあ。マスコミは学者や文学者集団を自分のとこに就職させて記事や質問項目とかをチェックさせたらどうかな……。マスコミのレベルが上がらない限り、庶民の民度なんか上がりっこないですよ。

・安倍首相:一言…恩師「周囲に、いさめてくれる人物を」
http://mainichi.jp/select/news/20141215k0000e010401000c.html

……教員は、自分の教え子が妙なことになってゆくのが、予想以上に悲しいものである。自分の失敗よりも悲しいのだぞ……

・石原慎太郎氏が政界引退 「さばさばした気持ち」
http://digital.asahi.com/articles/ASGDJ5TLHGDJUTIL020.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASGDJ5TLHGDJUTIL020

……「いくつで死ぬか知らないが、死ぬまで言いたいことを言い、やりたいことをやって人から憎まれて死にたい」。三島由紀夫もどこかで言っていたが、石原氏は羞恥心の塊のような人だと思う。障子を性器でつきやぶる場面など、中学生の羞恥心を思わせる。三島は、中年の男のように「そのまま障子をあけて全身をあらはす」ようなことができない点を石原氏の特徴としてあげていたが、それは石原氏に限らない。性器が役に立たなくなった今、石原氏が本当のやりたいことに目覚める日は近い。……というのは、冗談である。我々はたぶん謙虚さを羞恥心ととりちがえがちなのであろう。そんな性格が続いている限り、我々は自分たちの暴力性を反省することなどあり得ないのではあるまいか。

限界芸術

2014-12-19 23:14:25 | 文学


鶴見俊輔を今読むと面白くて仕方ない人もいるのではなかろうか。ベートーベンの受容現象を「純粋芸術」と呼び、俗悪なものを「大衆芸術」、芸術と生活の境界線に存在する広大な領域を「限界芸術」と名付けるようなやり方に対して、さほど違和感がない人が増えているかもしれない。「純粋芸術」が戦時中に退いたといい、「その点では非常に健全な考え方が戦中にあった」と書く鶴見に、昔から私はあるうさんくささを感じていたが、今もそれは変わらない。確かに、芸術にとって、文学少年的なナルシシズムも障碍だが、不良少年のクールな粗雑さも障碍なのである。それは宮沢賢治を理念化したような観念的な化け物に行き着く可能性があるのではあるまいか。それは、美的でないので自分の錯覚にも気付きにくい。

わたしは他人の尻ぬぐいをしながらこつこつ世の中を変えようとしている人の方が好きである。

選挙だよ 全員秋毫3

2014-12-15 00:30:14 | 思想


わたくしは、選挙権を貰って以来、自分が投票したやつが当選したことがないという記録を更新中であるが、今回も更新された。

わたくしはよく知らないのであるが、投票行動の研究というのはどれだけ進んでいるのであろう。野党が自民党を倒そうとする場合、本当に科学的な戦略を練れているのかどうかわからない。自民党に入れている人間が果たしてどのような人間であるのか、もっと研究する必要があるであろう。さっき、どっかの医師会が自民党の候補者に入れるようにメンバーに動員をかけていることが映像で映されていたが、どのくらいかような動員が行われているのであろう?実際、私の知っている例でも、会社の従業員に恫喝まがいの強要をしている社長などがいるが、社員がどうしているのかは知らない。例えば、四国でさまざまな関連会社を持っている某××会社などは、どの程度、選挙で力を発揮しているのか?街頭演説の効果というものは本当にあるのか?また、今回政府がメディアを恫喝していていたわけだが、恫喝は、本物の恫喝である必要はない。恫喝をしているポーズだけが必要な時がある。NHKをはじめとして主要メディアが政府の広報機関と化しているのは、この二年ぐらい、生活の変化でテレビを見るようになって知ったが、こんなださい報道と一見して人ととしてやばそうと思わせる首相のおしゃべりの効果で、自民党の支持が広がっているとはとうてい思えないのである。要するに自民党は、ある種の互酬関係に基づく固定客だけで勝っているのかもしれないわけだ。……というのはわたくしの印象であるが、ネット民やインテリにありがちな、言論の過剰な評価が事態をややこしくしていなければいいなと思う。無論、わたくしは戦前の転向現象を想起している。言葉の世界に於ける転向ほど過激なものはないからだ。

追記)あ、あと、自民党が再配分をやっていた政党であるというのは、半分本当であり、半分嘘である。みなさん、よく昔を思い出してみましょうよ……


選挙だよ 全員秋毫2

2014-12-14 15:16:40 | 思想


そういえば、この前の選挙で我が町は開票作業に不正があったとかニュースになっていた。気になったのは、やたら開票作業が迅速であることを求められ、たしかランキングまでつけられているということであった。それが不正の原因の一つであることは確かなのではないか。開票作業で何を焦ることがあるのであろう。選挙管理委員会か役場かどこへかしらないが、早くしろ、順位をつけるぞと脅迫している連中がいるのではなかろうか。大学においても、ランキングをつけたがる人間は100%馬鹿であるが、たぶん象牙の塔以外でもそうなのであろう。

選挙だよ 全員秋毫

2014-12-14 07:41:18 | 思想


「アベノミクス」なんつーのは効果が出てるかでてないのか庶民にはさっぱり分からんし、というのは、安部が出てくる前から暗黒だったから、暗黒時代が続いていたとしてもやつのせいでそうなったかどうかは分からんからである。このまえオバマが「安部の言うより日本経済はやばい」と口走っていたが、安部の口調より普通の口調なので一生懸命な主張ではなさそうだ、……というのは冗談だが、そういう印象を受ける庶民は多分多い。暗黒が続くと、とにかく希望を強く言うやつに付いていってしまうのは、どこの国でもそうなのであろうが……、ゆえに安部の口調はどんどん強めになっている。安部のせいではない。「温度差」で「アツい」ほうがいいとか、「ぶれない」のはいいとか、人間をはかるとは思えない形容が肯定的に用いられるようになってから、もう日本には「内容」を問題にする空気がなくなっているから、安部みたいなのがでてくるのである。

「アベノミクス」を問う選挙にしたいのは、完全に自民の党利党略なのであり、明らかに違憲らしく思われるが、まあ明確に権力者の解散権を制限する基準もいまはなさそうなのでしょうがない(訳はないのだが)として、最悪なのは、政府が「選挙の報道は公平にやれ」とメディアを脅迫したことである。だいたいメディアというのは、権力が踏みつぶしてしまう意見を、言論空間で権力者のそれに対抗できるように仕立ててやる役割があるのである。100メートルの巨人が、「俺の意見を蟻の意見より小さく扱ったら許さん」と、蛞蝓に向かって言っているのだから、意味が分からない。が、そこでへいこら言うことを聞いているメディアも大概である。飼い主も、飼い主である限り、飼い犬に定期的に脅しをかけなかればならないのは常識だからやっているだけだろう。

こういう風景は、安部とメディアだけでなく、我々の日常にいくらでも転がっている。小学校から大学にいたるまで、授業や学級会や教授会で、論外みたいな意見まで一応公平に扱わなければならなくなっている。むろん、そのクソレベルの意見の持ち主がだだをこねて予想を超えた行動に出てくるのをいままで経験しているからである。問題は、彼らがマイノリティの心情のままになんとか長になってしまったことである。我々の社会は、いわば泣き叫ぶ赤ん坊にうろたえるショック状態にあるが、こんな風になる前に、赤ん坊をあやしてた連中がいる。もうおおかた引退してしまっているが……

問題が、選挙ではなく、泣く子を黙らせる日常的な抵抗にあることは明らかである。本当は、社会に出てから泣く子になってしまう人間が誰なのか、まともな教員は分かっている。教壇で悪者になるのが怖くて遠慮した結果がこれである。

三島由紀夫は、日本の民主主義がこういう体たらく――いわば「クェーカー教徒」でなければ「粛清を肯定する」ような事態――になることは分かっており、だからこそ、「暗殺」といった行為の可能性を残しておきたかったのかもしれない。しかし、当時の全共闘のある種の学生と同じく、私もそれはやっぱり嫌だ。我々の選択肢は……