1973年初版 1986年 第14刷 足沢良子/訳 山中冬児/装幀・口絵 田中潮/挿絵
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
ジョルジュ・サンドって、ずっと昔観たSF映画に出てきたな
【内容抜粋メモ】
登場人物
バルボー家
父
母
シルビァン 双子の兄 呼び名はシルビィネ
ランドリー 双子の弟
妹 ナネット
カイヨー
ソランジュ 娘
マドレーヌ 姪
ファデーばあさん 物知りで魔法使いだと思われている
孫 ファデット 父は亡く、母は2人の子どもを置いて家出した
弟 ジャネー 体が弱い
●双子の兄弟
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サジェットばあさんは、生まれた双子の区別をするために
兄の腕に十字架の印をつけて(驚)
兄はシルビァン、弟はランドリーと名付けられた
双子は育ちにくく、片方が死なないと、もう片方が丈夫に育たたないという迷信を信じて
不安に思う母親
サジェットばあさんは、2人を一緒にしないと約束させるが
神さまは決めた運命を変えることはできないだろうと考えなおす
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●奉公
双子が14歳になった時、ブリッシュ村のカイヨーのもとへランドリーが奉公に出る
寂しがるシルビィネのために毎日、仕事終わりに会いに行く
カイヨー:子どものわがままなんか、そんなに本気に考えることはないさ
ランドリーがカイヨー家と仕事に慣れてくると
シルビィネは弟が取られたように感じて嫉妬する
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●シルビィネの失踪
シルビィネが何も食べずに家を出て
死ぬつもりじゃないだろうかと心配で泣く母
母:
なんの因果であの子にはこんなに心配させられるんだろう
あたしは死んじまいそうだ
河でおぼれて死んだのではと絶望しているランドリーに
兄の居所を教えると言うファデット
ランドリーは兄が見つかったら、何でも欲しいものをあげると約束する
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ファデットの言う場所へ行くと、シルビィネが見つかり、2人で家に帰る
ランドリー:世間には幸せすぎるほどの身分でも、それが分からない人間がいる
●鬼火
ランドリーはファデットにお礼がしたかったが、彼を避けている
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聖アンドッシュの祭りは、9月下旬に行われるコッス村の鎮守の祭り
ランドリーは前の日から休みをもらい、家に帰る途中の浅瀬がお腹までの深さで渡れず
周りに鬼火が舞って怖くなる
♪鬼の娘は鬼火と友だち と歌いながらファデットが来て河を渡るのを手伝う
お礼を言いたいランドリーに対して
ファデット:
金持ちだと思ってお高くとまって、臆病と恩知らずは一番みっともない欠点だわ
あの日、友だちらしい挨拶をひと言いってくれれば仲良しになれたのに
ファデットは聖アンドッシュの祭りで、自分とだけ7度踊る約束をつける
●ファデットの踊り
先に約束をしていたマドレーヌは、ファデットとの約束を聞いて怒り
ほかの男友だちと踊る
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ファデットといつも踊る少年は、ランドリーと踊ることに不満で
帽子をとって逃げたため、ランドリーは帽子を取り戻して追い払う
●泣いている人
帰り道、ファデットが泣いているのでなぐさめるランドリー
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ランドリー:
お前は自分に対して悪いことをしているんだ
16にもなるのに娘扱いされないのは、服装や態度も男みたいだからさ
ファデット:
みんなはみかけがキレイでないものをバカにしすぎるわ
私は10歳でお母さんに置き去りにされた
歳をとったおばあさんの代わりに薬草をつんだり
おばあさんがせっかんする弟をかばっている
ランドリー:
君は自分で思うほどみっともなくないぜ
人をバカにした目つきさえやめりゃいいんだ
ファデット:
私は今まであんたを高慢ちきだと思ってた
こんな優しい立派な人にすまないことをしたと思って悲しくて泣いていた
ランドリーはファデットが心から好きになる
●ファデットとマドレーヌ
ファデットはマドレーヌにランドリーがマドレーヌを好きなことと
踊った理由を話すのを木の影で見ているランドリー
マドレーヌ:私はあんたのお余りなんか欲しいと思わないわ
ファデット:
私はずっと前からランドリーを好きだったけど
あの人から好きになってもらおうなんて思ったことはなかった
●天主堂
いつも祈りが長いファデット
洋服を可愛い形に変えて、髪をキレイに結ったファデットにみとれるランドリー
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ファデット:
あんたに言われた通りにしたの
服装からちゃんとしなきゃならないと思ったのよ
ランドリーは世間体など気にならず、ファデットのことが好きになったと告白すると
ファデットは喜びのあまり気絶してしまう
村の人にも態度に気をつけたため、彼女の悪口を言う者はいなくなる
ランドリーはファデットからいろんな薬草について教えてもらい
カイヨーの牛の病気や、馬の怪我の手当などができるようになる
●誤解
村一番の美人と評判のマドレーヌは、常に周りにとりまきがいないと気がすまない
カイヨーの次男と付き合っているが、若者の中ではランドリーが一番人気で
ランドリーがファデットと付き合っていることに嫉妬し、村中に悪い噂を流す
それがバルボー家にも伝わり、心配した両親はランドリーに付き合いをやめるよう言う
父:お前はあの娘にだまされているんだ
ランドリーはすっかり怒るが、親がそう考えるのは当然だというファデットは
しばらく村を離れる決意をする
ファデット:
私は13の時からあんたが好きだった
1、2年よそで暮らして、いい評判をもって帰れば、うるさく言わなくなると思う
カイヨーの次男:
ファデットの良さを前から分かっていた
マドレーヌの誠意のないのにはツライ思いをしているんだ
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ファデットはシャトー・メイヤンに奉公に行き
カイヨーの次男はナネットと仲良くなり
シルビィネはさらに弱弱しくなる
お湯屋のおばさん:
シルビィネの胸の中には愛情がありすぎる
ほんとうに好きな女の友だちができれば兄弟より大事にするだろうよ
一途に思い込むたちだから、2人の人を好きになるはずがない
ランドリーはカイヨーのすすめでアルトンに奉公に出る
●帰ってきたファデット
ファデーばあさんが急に倒れて、看病のためにファデットが帰る
半年後、ファデーばあさんは亡くなり、そのまま村に留まると
ランドリーがアルトンから駆けつけてくれる
ランドリー:
シルビィネのことさえなければ、ここにいるんだが
どうか、オレのために骨おってくれないか
ファデット:あの人は心に病気があるから、体まで病気になるのよ
●ファデットの財産
ファデットはファデーばあさんが遺した大金を持ってバルボー家を訪ねる
ずっと貧しい暮らしをしていたが、穴倉に貯めていた金を数えると4万フラン近くて驚く
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ファデット:
私がお金持ちになったことは内緒にしてください
私はお金目当てでない人でなければいや
バルボーはお金を預かり、シャトー・メイヤンに出かけて
ファデットの奉公先に聞くと、良い評判ばかりで
これまでの悪い印象を思い直す
シルビィネの具合は悪くなる一方で、バルボー婦人は、ファデットに治してくれるよう頼む
ファデットはシルビィネが眠っている間に、枕もとに1時間ほど寄り添うことで熱が下がる
健康な人が愛情と信念をもって病人の体に触ると治ることを知っていたため
(“手当て”って効果あるよね
バルボーは、ファデットに嫁に来てほしいと頼み
ファデットはシルビィネの病気を治すまではランドリーと会わないと誓う
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シルビィネ:オレは家中の厄介者だから死ぬのが一番幸せだ
ファデット:
あんたの病気なんかちっとも気の毒とは思わない
大した病気じゃないのは分かってる
ランドリーはあなたの何千倍も想っているのに
あなたは不平ばかり言っている
あなたは死にたいと言えば、家中の者が言いなりになると知っている
というのも、あんまりラクに育てられたからよ
ランドリーとファデット、カイヨーの次男とナネットの結婚式が一緒に行われ
やがてカワイイ子どもも生まれる
その1か月後、突然、シルビィネは兵隊に志願する
10年後、シルビィネは大尉となり、勲章ももらう
バルボーは、大人しいシルビィネが兵隊になった理由を妻に聞く
バルボー婦人:
ファデットがシルビィネの看病をした時、好きになったから
それに気づいて、土地を離れる決心をした
バルボー:
あいつは一生、結婚しないことになりそうだ
いつか言われたじゃないか
生涯でたった1人しか愛さないだろうって
■解説
ジョルジュ・サンド
本名オロール・デュパン 72歳でなくなるまで百冊あまりの小説、童話を書いた
中でも本書は最も優れた作品と言われる
貴族と愛のない結婚をして、離婚
1848年 フランス革命の時、人道主義、社会主義の立場で臨時政府をつくるのに協力
臨時政府が倒れ、パリで激しい市街戦があり、大勢が殺され、逮捕された
サンドと親しい何人かも逮捕され、ふるさとのノアンに帰り
一切の政治生活をやめて創作に専心する
そうして生まれたのが4つの田園小説
『魔の沼』『捨子のフランソワ』『愛の妖精』『笛師の群れ』
ファデットの性格は、サンド自身の少女時代がモデルと言われる
背景はペリー地方そのまま
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
ジョルジュ・サンドって、ずっと昔観たSF映画に出てきたな
【内容抜粋メモ】
登場人物
バルボー家
父
母
シルビァン 双子の兄 呼び名はシルビィネ
ランドリー 双子の弟
妹 ナネット
カイヨー
ソランジュ 娘
マドレーヌ 姪
ファデーばあさん 物知りで魔法使いだと思われている
孫 ファデット 父は亡く、母は2人の子どもを置いて家出した
弟 ジャネー 体が弱い
●双子の兄弟
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サジェットばあさんは、生まれた双子の区別をするために
兄の腕に十字架の印をつけて(驚)
兄はシルビァン、弟はランドリーと名付けられた
双子は育ちにくく、片方が死なないと、もう片方が丈夫に育たたないという迷信を信じて
不安に思う母親
サジェットばあさんは、2人を一緒にしないと約束させるが
神さまは決めた運命を変えることはできないだろうと考えなおす
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●奉公
双子が14歳になった時、ブリッシュ村のカイヨーのもとへランドリーが奉公に出る
寂しがるシルビィネのために毎日、仕事終わりに会いに行く
カイヨー:子どものわがままなんか、そんなに本気に考えることはないさ
ランドリーがカイヨー家と仕事に慣れてくると
シルビィネは弟が取られたように感じて嫉妬する
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●シルビィネの失踪
シルビィネが何も食べずに家を出て
死ぬつもりじゃないだろうかと心配で泣く母
母:
なんの因果であの子にはこんなに心配させられるんだろう
あたしは死んじまいそうだ
河でおぼれて死んだのではと絶望しているランドリーに
兄の居所を教えると言うファデット
ランドリーは兄が見つかったら、何でも欲しいものをあげると約束する
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ファデットの言う場所へ行くと、シルビィネが見つかり、2人で家に帰る
ランドリー:世間には幸せすぎるほどの身分でも、それが分からない人間がいる
●鬼火
ランドリーはファデットにお礼がしたかったが、彼を避けている
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聖アンドッシュの祭りは、9月下旬に行われるコッス村の鎮守の祭り
ランドリーは前の日から休みをもらい、家に帰る途中の浅瀬がお腹までの深さで渡れず
周りに鬼火が舞って怖くなる
♪鬼の娘は鬼火と友だち と歌いながらファデットが来て河を渡るのを手伝う
お礼を言いたいランドリーに対して
ファデット:
金持ちだと思ってお高くとまって、臆病と恩知らずは一番みっともない欠点だわ
あの日、友だちらしい挨拶をひと言いってくれれば仲良しになれたのに
ファデットは聖アンドッシュの祭りで、自分とだけ7度踊る約束をつける
●ファデットの踊り
先に約束をしていたマドレーヌは、ファデットとの約束を聞いて怒り
ほかの男友だちと踊る
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ファデットといつも踊る少年は、ランドリーと踊ることに不満で
帽子をとって逃げたため、ランドリーは帽子を取り戻して追い払う
●泣いている人
帰り道、ファデットが泣いているのでなぐさめるランドリー
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ランドリー:
お前は自分に対して悪いことをしているんだ
16にもなるのに娘扱いされないのは、服装や態度も男みたいだからさ
ファデット:
みんなはみかけがキレイでないものをバカにしすぎるわ
私は10歳でお母さんに置き去りにされた
歳をとったおばあさんの代わりに薬草をつんだり
おばあさんがせっかんする弟をかばっている
ランドリー:
君は自分で思うほどみっともなくないぜ
人をバカにした目つきさえやめりゃいいんだ
ファデット:
私は今まであんたを高慢ちきだと思ってた
こんな優しい立派な人にすまないことをしたと思って悲しくて泣いていた
ランドリーはファデットが心から好きになる
●ファデットとマドレーヌ
ファデットはマドレーヌにランドリーがマドレーヌを好きなことと
踊った理由を話すのを木の影で見ているランドリー
マドレーヌ:私はあんたのお余りなんか欲しいと思わないわ
ファデット:
私はずっと前からランドリーを好きだったけど
あの人から好きになってもらおうなんて思ったことはなかった
●天主堂
いつも祈りが長いファデット
洋服を可愛い形に変えて、髪をキレイに結ったファデットにみとれるランドリー
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ファデット:
あんたに言われた通りにしたの
服装からちゃんとしなきゃならないと思ったのよ
ランドリーは世間体など気にならず、ファデットのことが好きになったと告白すると
ファデットは喜びのあまり気絶してしまう
村の人にも態度に気をつけたため、彼女の悪口を言う者はいなくなる
ランドリーはファデットからいろんな薬草について教えてもらい
カイヨーの牛の病気や、馬の怪我の手当などができるようになる
●誤解
村一番の美人と評判のマドレーヌは、常に周りにとりまきがいないと気がすまない
カイヨーの次男と付き合っているが、若者の中ではランドリーが一番人気で
ランドリーがファデットと付き合っていることに嫉妬し、村中に悪い噂を流す
それがバルボー家にも伝わり、心配した両親はランドリーに付き合いをやめるよう言う
父:お前はあの娘にだまされているんだ
ランドリーはすっかり怒るが、親がそう考えるのは当然だというファデットは
しばらく村を離れる決意をする
ファデット:
私は13の時からあんたが好きだった
1、2年よそで暮らして、いい評判をもって帰れば、うるさく言わなくなると思う
カイヨーの次男:
ファデットの良さを前から分かっていた
マドレーヌの誠意のないのにはツライ思いをしているんだ
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ファデットはシャトー・メイヤンに奉公に行き
カイヨーの次男はナネットと仲良くなり
シルビィネはさらに弱弱しくなる
お湯屋のおばさん:
シルビィネの胸の中には愛情がありすぎる
ほんとうに好きな女の友だちができれば兄弟より大事にするだろうよ
一途に思い込むたちだから、2人の人を好きになるはずがない
ランドリーはカイヨーのすすめでアルトンに奉公に出る
●帰ってきたファデット
ファデーばあさんが急に倒れて、看病のためにファデットが帰る
半年後、ファデーばあさんは亡くなり、そのまま村に留まると
ランドリーがアルトンから駆けつけてくれる
ランドリー:
シルビィネのことさえなければ、ここにいるんだが
どうか、オレのために骨おってくれないか
ファデット:あの人は心に病気があるから、体まで病気になるのよ
●ファデットの財産
ファデットはファデーばあさんが遺した大金を持ってバルボー家を訪ねる
ずっと貧しい暮らしをしていたが、穴倉に貯めていた金を数えると4万フラン近くて驚く
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ファデット:
私がお金持ちになったことは内緒にしてください
私はお金目当てでない人でなければいや
バルボーはお金を預かり、シャトー・メイヤンに出かけて
ファデットの奉公先に聞くと、良い評判ばかりで
これまでの悪い印象を思い直す
シルビィネの具合は悪くなる一方で、バルボー婦人は、ファデットに治してくれるよう頼む
ファデットはシルビィネが眠っている間に、枕もとに1時間ほど寄り添うことで熱が下がる
健康な人が愛情と信念をもって病人の体に触ると治ることを知っていたため
(“手当て”って効果あるよね
バルボーは、ファデットに嫁に来てほしいと頼み
ファデットはシルビィネの病気を治すまではランドリーと会わないと誓う
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シルビィネ:オレは家中の厄介者だから死ぬのが一番幸せだ
ファデット:
あんたの病気なんかちっとも気の毒とは思わない
大した病気じゃないのは分かってる
ランドリーはあなたの何千倍も想っているのに
あなたは不平ばかり言っている
あなたは死にたいと言えば、家中の者が言いなりになると知っている
というのも、あんまりラクに育てられたからよ
ランドリーとファデット、カイヨーの次男とナネットの結婚式が一緒に行われ
やがてカワイイ子どもも生まれる
その1か月後、突然、シルビィネは兵隊に志願する
10年後、シルビィネは大尉となり、勲章ももらう
バルボーは、大人しいシルビィネが兵隊になった理由を妻に聞く
バルボー婦人:
ファデットがシルビィネの看病をした時、好きになったから
それに気づいて、土地を離れる決心をした
バルボー:
あいつは一生、結婚しないことになりそうだ
いつか言われたじゃないか
生涯でたった1人しか愛さないだろうって
■解説
ジョルジュ・サンド
本名オロール・デュパン 72歳でなくなるまで百冊あまりの小説、童話を書いた
中でも本書は最も優れた作品と言われる
貴族と愛のない結婚をして、離婚
1848年 フランス革命の時、人道主義、社会主義の立場で臨時政府をつくるのに協力
臨時政府が倒れ、パリで激しい市街戦があり、大勢が殺され、逮捕された
サンドと親しい何人かも逮捕され、ふるさとのノアンに帰り
一切の政治生活をやめて創作に専心する
そうして生まれたのが4つの田園小説
『魔の沼』『捨子のフランソワ』『愛の妖精』『笛師の群れ』
ファデットの性格は、サンド自身の少女時代がモデルと言われる
背景はペリー地方そのまま