メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

ジュニア探偵小説 23 『オペラの怪人』 高木彬光/著 偕成社

2021-03-21 11:48:23 | 
カバー絵/西村保史郎
挿絵/古賀亜十夫

「ジュヴェナイル」カテゴリー参照


タイトルを見て、『オペラ座の怪人』なら映画で観てストーリーを知っているから
他のが読みたかったなと思ったが
この名作に倣ったストーリーと分かった

まんだらけ グランドカオス
この品ぞろえはスゴイ!!
2015年だから今はもうないだろうな





仮面を着けた女性の絵は
やはり少年探偵団シリーズの『黒蜥蜴』あたりに似ているし
どこか二番煎じな感じ





これらのシリーズを読む時
私の大好きな森雅之さん、久我美子さんが演じている体で読んでいる

溌溂、凛とした久我美子さんの声と演技
森雅之さんのダンディなおじさまぶり

2人がいろいろと役を変えて脳内で演じてくれると
物語が数倍面白くなる

表紙画はおどろおどろしいが
挿絵はおっとりしたタッチ

昭和45年の初版
これも杉並区立図書館の「保存庫」のシールがあり「昭和61年度」とある

本編の後に短編あり


【内容抜粋メモ】(ネタバレ注意


■夜歩く男
私立探偵・篠原の助手・村松が電車に轢かれそうになり警官が助ける






■奇怪な医者
酔っているにしては酒臭くないのを不審に思う警官
持ち物を調べると、帝都劇場の切符と
十代のジャズ歌手・香山リリーの写真を見つける

通りがかりの医者が注射を打ち、安心していると
村松は死んでいる
後で調べるとニセ医者と分かる

篠原は大事な部下を殺されて激怒し
弔い合戦だと犯人捜しを始める
警視庁のベテラン増田警部も捜査する

下宿のおばさんに「黒百合が幸運を持ってくる」と言っていたことが分かる


■黒いブローチ
三太は梨枝からいつも食べ物をもらっているお礼にと
前から家にあった黒い百合のブローチをあげる


■にせ刑事
サンタは刑事から少女に何を渡したと詰め寄られ
村松が轢かれそうになっていた線路で見つけたブローチだと明かす

ニセ刑事は少女が山田省二郎の娘と知ると顔色が変わる


■三枚の切符
山田家にメッセンジャーボーイが来て
封筒には帝都劇場の切符が3枚入っている

慰問金を集めるイベントで、有名なジャズバンドが集まる
リエが大ファンのリリーも出ると知って行きたいとせがむ


■しのびよる影
リリーの本名は香山百合枝
天才少女として有名だが、その過去は謎だらけ

香山剣次と妻・初枝は養父母で、ユリエは実父が誰か知らない
養父母も明かさないでいる

愛犬が鳴いて、リリーの横をせむしの奇怪な男が通り過ぎる






篠原は香山夫妻に会い、実父について聞くが
遺言により明かせないと断る

村松は実父の秘密を探ろうとして殺されたに違いないと言う篠原

帝都劇場での出演を断るよう「オペラの怪人」から速達が来る
ユリエは舞台に穴をあけるわけにはいかないと言い張る

オペラの怪人と名乗る者が
これまで何度も助けてくれたことを話すケンジ


■ブローチの意味
リエコは胸に黒百合のブローチをつけて帝都劇場に父母と出かける

近頃のジャズの流行は大変なもので
6大学のジャズバンドのほか、日本の有名な楽団を全部集めて
たくさんの観客が集まった

(私の父もこの頃、都内で何度もジャズバンドの生演奏を聴いたと話していた

廊下にいたリエコに不審な男が声をかける
リリーのファンならサインをもらってあげると言い
楽屋に連れていく代わりに暗闇で当身をして失神させる


■せむしの男
舞台ではファイブ・キューアンズ(実在のバンド?)の演奏が始まったが
席に来ない娘を心配して、スタッフに聞くと
娘が具合悪くなったと父親が抱えて出て行ったと言われ
誘拐されたと警察を呼ぶ

そこにもせむしの男がいて気味悪がる母


■天井うらの影
舞台で倒れるなら本望と
周りの心配を突きはねて舞台にあがるユリエ

暗い舞台裏に呼び出されたケンジは
オペラの怪人にピストルを押し付けられ
実父の行方を聞くが
死んでしまって分からないと答えると撃たれる


■したたる血潮
リリーが歌いだすと
天井から血が垂れてきて観客が悲鳴をあげ幕が引かれる


■消えたせむし
ケンジは瀕死の重体で病院で手術を受け
弾が心臓からわずか外れていたため命は助かると言う医者

増田、篠原らはオペラの怪人が怪しいとにらむが
目立つ容貌にも関わらず、劇場を調べてもどこにもいない

篠原は、村松の殺人、リエコの行方不明、ケンジの暗殺未遂は関係があるのではと推理する


■見舞い客
初枝はオペラの怪人はずっと自分たち家族の味方だったと断言する
そこにオペラの怪人からメッセージが来て

「ケンジを襲ったのは自分じゃない
 ユリエも危ないから気をつけて」とある


■黒百合姫
リエコが目覚めると、黒百合姫と名乗る洋装の若い女がいる
村松を殺したのも男に化けた自分だと平然と言い
ブローチを手に入れるのが目的と話す

リエコの父母が帰ると
家に泥棒が入ったらしく荒らされているが
金目のものは盗まれていない

リエコを取り戻したいなら
明日の11時、原宿駅前に来いという手紙を見つける
ゴム印の黒い百合を見て青ざめる父

改めてプログラムのリリーの写真を見ると
火事で焼け死んだ大島の娘と分かる

その様子を見ている顔が焼けただれた男の姿






■三太の決心
大恩人のリエコが連れ去られたのは自分のせいだと思い
サンタは命をかけても見つけるのを手伝うと誓う

父は約束の時間に原宿駅に来ると
“スタイルブックから抜け出たような”若い女が来て
円タクを呼び、山田家の近くの深沢駅でとまる

その近くに村松が眠り薬入りの酒を飲まされた
洋風の酒場「黒百合」があり、そこの地下室に入る

黒い和装の女が来て、黒百合団の第二号「黒百合姫」と名乗り
証拠の腕の百合の花の刺青を見せる

省二郎:
自分もかつて16号として働いていたが
自分の悪事が嫌になり、戦後手を切ってから
30年間真面目に暮らしてきた
10年経てば無罪になるはずだ

黒百合姫:
団員は互いに素性を知らない
一度入れば抜け出せない規則

黒百合のブローチを探している

リリーは大島の一人娘だと最近分かった
20年前、ハルピンの火事で焼死したと思ったが
せむしとなりオペラの怪人と名乗っている

大島はハルピンの日本人で1、2を争う大金持ち
その財産を金塊、宝石にかえて日本のどこかに隠した


戦争でちりぢりになった黒百合団を集めて探している
仲間にならないと娘さんの命はない



■とびくる弾丸
サンタは山田に頼まれて店の前で張っていたが
出てこないので心配している

その店にリリーが入ろうとしているのを見て
ここは悪の巣窟だからやめておけと忠告

どこからか弾丸が飛んできて
2人は逃げると篠原に出会う





■父の名は
酒場から山田が出てきて、リリーに実父と満州で親しかったと話す
オペラの怪人が実父だと聞くと驚く

篠原もどこかで会った気がすると言うと
満州で憲兵をしていたから会ったかもしれないと言う

またオペラの怪人が現れて消える


■松のある洋館
洋館に入ったと思った篠原は呼び鈴を押すと
若い女性が出てきて
せむしの男の話をすると青ざめるが知らないと通す
表札には「藤島」とある

ユリエが帰ると愛犬が殺されていて、またオペラの怪人が現れる
彼は味方か敵か?!


■人間グモ
山田は3階建ての時計塔を見つける
その針の所にもオペラの怪人がいる

「人殺し!」という叫び声が聞こえ
黒百合姫は「オペラの怪人は1人でしょうか?」と問いかける


■大島敬蔵
藤島愛子は、ユリエの母違いの姉妹
母は亡くなり、父がいることを近所に秘密にしている
大島の宝を狙う黒百合団を警戒している

大島:敵は焦りだした 焦れば隙ができる そこで敵をとるのだ

時計塔の記事を見て
瀕死の犠牲者・中村梅子も黒百合団の仕業と言う大島


神津恭介登場(明智小五郎みたい
日本で1、2と言われる若い、美男の名探偵にすがる愛子
これまでの一部始終を話すと引き受ける神津






■時計屋敷
ここは大島が宝を隠し、心血をそそいで仕掛けを作った屋敷
塔の設計者ドイツのインゲリット技師と親しい山田は
屋敷を調べろと黒百合姫に命令される



■にせの父
ニセのオペラの怪人の前に神津が現れる
愛子が頼んだと言うと怒り
宝の場所をそれとなく聞くが愛子も知らない

本物の大島は「危険だから一時身を隠す」と手紙を残す


■怪人対名探偵
神津はニセのオペラの怪人がゴムのお面をかぶっていることを見破り
篠原に案外どこにでもいる男かもしれないと話す


■虎のきば
山田は時計屋敷に呼ばれ、いすの手すりの虎のきばで手を切る
大島の仕掛けの1つで、毒が全身に回るからと指先の肉をえぐりとる(!

大島はインゲリットが虎の口のボタンを押すと通路が開くと明かす

山田は自分もかつて黒百合団の一味だったが
今は娘を人質にとられて調べていると明かす

互いに愛娘を人質にとられ、首領をおさえようと誓う


■悪魔の客
芸能社の秋山がリリーの家に来て
有名な実業家の未亡人・桂田を紹介するが
その正体は黒百合姫





リリーの大ファンで鎌倉の別荘にかくまってあげると誘う
放送の録音の後に伺うと約束


■夜の追跡
放送局の近くの喫茶店で神津は助手・古沢美和子と落ち合う
リリーが自動車に乗せられ、篠原が運転手に化けていたと話す
オペラの怪人のお面は手品道具の店で村松も注文していた

リリー、黒百合姫の乗るリンカーン
山田とサンタが乗るフォード
神津らが乗るクライスラー
愛子と刑事が乗るダットサンが並んで走る


■自動車事故
蒲田あたりで事故が起きて
釘板がタイヤに刺さったせいと分かる

停まっているリンカーンの運転台には
顔を叩き潰された男が死んでいて
免許証から篠原だと分かる


■血の告白
秋山の姿がなく、黒百合団の首領なのか?
黒百合団は今や麻薬の密輸を専門にしていると分かる
事件の真相をほぼ掴んだ様子の神津


■梨枝子と百合枝
ユリエは黒百合姫に騙されて監禁される
そこにはリエコもいて、2人でここを逃げ出そうと決心する


■ラジオの悲鳴
リリーが録音した日の放送が始まると
「お父様、助けて!」という声が全国に流れる
これもオペラの怪人を誘い出すための罠


■麻薬患者
酒場の裏口に山田が現れ、麻薬が切れたからくれと迫る
満州で黒百合団に入ったのもクスリがきっかけ
ヘロイン入りのピースを吸うと落ち着く山田

山田はなにか下に落とし、サンタがそれを持って走る


■黒覆面の男
2人の姉妹は縛られていた縄を切り
窓を開けると外は20mほど下が海と分かる


■事務所の幽霊
神津は喫茶店で山田と会う約束をしていたが遅いため
美和子を待たせて警視庁に連絡しに行く

美和子はオペラの怪人が篠原探偵事務所に入るのを見て後を追う
そこにいるのは死んだと思われた篠原!
まるで逆さまに見えて笑っている姿を見て怯える


■ひらめく短剣
酒場の主人・野呂も黒百合団の仲間

篠原探偵事務所には黒百合団の名簿があり
それを調べようとして、野呂が隠し戸棚を開けると
ナイフが飛び出す仕掛けで胸に突き刺さる
名簿は消えていた


■凹面鏡の秘密
花売り娘が美和子から手紙を預かったと神津に渡す
オペラの怪人を見かけたから後を追うとある

篠原が逆さに見えたのは凹面鏡のトリックと見破る神津
警察犬を使うが、クルマに乗ったため美和子の行方は分からない


■東北倉庫
佃島の「東北倉庫」まで来た美和子は、黒百合団に追われて
非常階段を屋上までのぼる

覆面の首領がピストルを構えると
リエコとユリエが逃げたとしらせが入り
その隙を見て、はるか下の海に飛び込む美和子
この高さじゃ助かるまいと言う首領






■時計屋敷の会見
大島は黒百合姫からピストルを突きつけられる
大島:自分を殺せば、屋敷の秘密は分からなくなるぞ

サンタは山田が東北倉庫に連れて行かれたと大島に告げる

(登場人物があまりに入り乱れてわけがわからない・・・

リエコとユリエが監禁されていたのも同じ倉庫
下を行きかう船に懐中電灯でSOS信号を送るユリエ

(万一のためにこの信号は覚えておいたほうがいい?


神津は首領が篠原だと明かす
顔を潰されたのは秋山

満州で悪事のし放題だったのも、憲兵隊に内通者の篠原がいたため
村松は黒百合団の秘密をネタに金をゆすろうとして殺された

黒百合姫は神津の胸を撃つ


■包囲攻撃
東京湾を巡航していた水上署は、海に浮かぶ美和子を見つける
ビルからのSOSの信号に気づき
灯りを照らすとオペラの怪人がよじのぼるのが見える

倉庫内で警官と黒百合団の“拳銃戦”が繰り広げられる


■百合は散る
神津は防弾チョッキを着ていたため無事
警官が催涙弾を投げ込み、年貢の納め時だと
篠原は黒百合姫とともに死のうとするが
オペラの怪人・大島が現れる



(この黒百合姫の顔、誰かに似ていると思っていたけど・・・伊勢さん?w


隠れていたユリエが出てきて
2人の少女もろとも死ぬと言う黒百合姫
その足が滑り、一人海に落ちる

(なんだか間抜けな終わり方

篠原は逮捕されるが
神津は黒百合姫の哀れな最期に涙を流す


■大団円(最後のタイトルは全部コレなのね
ケンジは快方に向かい、黒百合団は全滅して
大島も隠れる必要がなくなり
何億円もの財宝は社会事業にあてる

美和子は女学校の頃、水泳の選手だったと明かす

ラジオをつけるとリリーが最後に1曲歌うと言って歌ったのは
黒百合姫がつぶやいていた歌


歌を忘れたカナリヤは
背戸の小ヤブに捨てましょか

いえいえ それはなりませぬ

歌を忘れたカナリヤは
柳のムチでぶちましょか

いえいえ それはなりませぬ


(こんな物騒な歌が本当にあるのだろうか?





「紅色ダイヤ」

■インドの魔術師
(やたらとインドが絡んでくるな

第一次世界大戦の頃
ロシア革命の犠牲となり銃殺された王女の手元にあったとされる
紅色ダイヤ「火の女王」

小学6年生の村田えり子は、大人気の印度の魔術師ラバータ
子どもたちとの写真を撮って雑誌に載せたいと選ばれて大喜びする

会場は喫茶店の2階
妖精がすむ魔法の箱を見せて
なんでも持ってきてくれると聞いて
「紅色ダイヤ!」と言うえり子


■火の女王
自宅の金庫の中にあると言うと、箱から出してみせる

もう1つ大魔術を見せると言ったまま、ラバータは喫茶店から消える
手紙には、日本に来た目的はダイヤを取り返すためと書いてある

帰宅して父に話すと、金庫を開けるが確かにある
3日後には競り売りするから心配いらないと笑われる

その晩、部屋にラバータがいて
ハッキリとした日本語でダイヤのありかを聞く

えり子を縛り、金庫破りをしようとしている間
テーブル下にあるベルを鳴らして
同居している警官らがやって来る

塀の外に逃げた怪人は、私立探偵の鯉沼と取っ組み合いになり
胸に短刀が刺さって死んだという

(もう怪しいよねw


■消えた宝石
ダイヤの競り売りの日
父は鯉沼を秘書としてそばに置く

鯉沼は、黒人のラバータに化けた土山という前科者が
トイレで着替えて堂々と出口から出たとトリックを明かす

アメリカの金持ち3人と、日本外語の学生・天沼というアルバイトが揃う

30万ドル(当時の日本円で約1億円)から始まり
50万ドルで決まりかけた瞬間、電燈が消え、ダイヤも消える

天沼が怪しいとにらむ鯉沼

警官にまじって捜査しているのは名探偵・神津

えり子は、電話器のそばに置いてあるパイプの灰からダイヤを見つけて
父に見せるとガラスのニセモノと分かる
魔法の箱から出したのと同じ

そのパイプが鯉沼のものと分かり、後を尾けようと考える


■にせのダイヤ
円タクが止まったのは、郊外の荒れた洋館
そこにラバータが現れ、トランクに詰め込まれてしまう





最後の隠れ家に連れてこられ
ホンモノの火の女王はどこだと聞かれる


■捕われた探偵
そこに拳銃で狙う神津が現れる
ラバータはまた消え失せ、戸棚の中から縛られた鯉沼が出て来る

神津:
これは手品で使う縄抜けのやりかただ
自分でかけたんだろう

手下の土山をインド人に変装させ、口封じのために殺したのも君だ

パイプにニセモノのダイヤを入れたのは神津

「国際怪盗団捕わる」という見出しが躍り
数十名の一味が捕らえる




「金色の猫」

■百二十三号室
悦子の父・早川敏夫は、大陸からの引揚者

戦時中は、天津で立派な暮らしをしていたが
戦後、帰国してからは長男・一彦含め
一家4人は家にも困る暮らしになったため
都営アパートに当たった時は皆喜ぶ

天津でも猫をたくさん飼っていたため
学校の友だちから子猫をもらって飼う悦子

その金色の猫が来てから怪事件が続く


■飛びこむ猫
部屋にある1枚の絵は父の亡き友の形見で
その額にも猫がある

ある夜、三毛猫が急に窓から飛びこんできて悲鳴を上げる悦子
鉄筋コンクリートの垂直な壁をのぼるのは不可能

それから毎晩、違う猫が飛びこみ、家族会議を開く
一彦は金色の猫のせいだから捨てたほうがいいと言うが
離さない悦子


■血をふくかべ
翌日の晩、悦子の顔に血がしたたり落ちてきて
知人の医者に調べてもらうと猫の血と分かる

壁紙屋に頼んで血のついた壁紙を貼り直してもらうと
絵に気づき、それを描いた舟木は猫を100匹近く飼う変わり者で

ある日、金色の猫を連れて来てから気が狂い自殺した
そんな絵は売ったほうがいいと忠告するが
友達の形見だからと迷う母


■猫を飼う女
悦子はとうとう父に言われて
ミイ子を捨てなければならなくなる(みーちゃん!

捨てても追いかけてくる猫に困り、橋から投げようとすると
猫が好きだから譲ってくれと女性に声をかけられる





この近所だというので猫を連れて行くと
急に譲るのが嫌になったと断る悦子


■油絵のネコ
悦子はこれまでの事件はすべてあの女性と壁紙屋の仕業だと話す
女性の家には酒に酔った壁紙屋がいたのを見たため

きっとこの絵になにか関係していると推測する
絵の持ち主は、ある大金持ちの伯爵から譲られた

額縁を触ると、箱根細工のような仕掛けで
中からダイヤが出て来る(前読んだのと同じ!

仕掛けを作ったのは壁紙屋、女は伯爵家の元女中と分かる

事件を解決して、100万円のお礼をもらった上
ミイを手放さずに済んで喜ぶ悦子



「猫目石の謎」(やけに猫話が続くw

■女と宝石
三千夫は見知らぬ女性に声をかけられて戸惑う
父に世話になった者で、その後の話を聞きたいからと喫茶店に誘われる

青山竜子と名乗り、大科学者の古沢博士とは宇都宮で知り合ったと話すが
ずっと東京に住んでいるため、そんなはずはないと不審に思いながらも
住所を聞かれて、紙に書いて渡すと
2、3日中にお礼に行くと言って別れる

後でカバンの中から小さな宝石が見つかって驚く
ダイヤモンドの次くらいに珍しい猫目石だと言う父

三千夫は兄のように慕い、助手をしたこともある神津探偵に話す

数日後、道端であの女性を見かけ、後を尾けると洋館に消える

通りがかりの男いわく、ここには青山竜子という女が住んでいて
腕利きの宝石商だったが、殺されて犯人も見つからない
その後、家中を探しても宝石は見つからなかった

神津から今夜一緒に幽霊屋敷に行こうと誘われる

部屋にはく製の黒猫があり、片目は猫目石が入れてあり
もう片方はガラス玉なことから
三千夫のカバンに入れられたのがもう片方だろうと思われる

その目の中にボタンがあり、押すとカギが出てきて
大きな時計の針をカギで回して12時を打つと人形が出てきて
その奥に手を入れると、戸棚が半回転し、鉄の扉が隠されていた
中には金庫があり、無数のダイヤモンドが出て来る

(謎解きのゲームアプリみたい

そこに口から血を流した青山の幽霊が出る


■幽霊の正体
まったく驚かない神津
神津が三千夫の知り合いと知っていておびき出した作戦も当てる

通りがかりに幽霊話をした男もグルで
竜子を殺した犯人だと話す

神津が呼んでいた刑事が後ろにいて、2人はあっけなく逮捕される
2人は満州から大陸にかけて密貿易をしていた前科者と分かる


(なんだか使いまわしな話が多いのも
 少年探偵団シリーズと似てるw




コメント    この記事についてブログを書く
« 『うきわねこ』 蜂飼耳/文... | トップ | 『ゆきがふる』 蜂飼耳/文... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。