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怪異に立ち向かえ! 陰陽師と妖怪博士@歴史秘話ヒストリア

2021-01-30 12:58:31 | テレビ・動画配信
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「マンガ感想メモリスト1」カテゴリー内「陰陽師」








BGM にゴーストバスターズかかってる♪


【内容抜粋メモ】

平安時代
人々は鬼に怯えていました
疫病や洪水などの災いを起こすとされたからです

その時活躍したのが陰陽師

空を飛び、魔物を倒す
映画などでは超能力者として描かれることが多い陰陽師・安倍晴明

様々な術を繰り出し災いを祓う
恐れや不安を取り除いた華々しい奮闘をご紹介します





それから約900年後 文明開化の明治の世
人々は変わらず不安におののいていました

(ミズキさんのマンガにも出てくる小豆洗いがいる!






そこで立ち上がったのは妖怪博士・井上円了です
人を惑わす謎や不思議
その正体を解明することに人生を賭けました

(ちょっと見ない間に看板のアナウンサーが変わっちゃったんだ/驚 残念・・・






エピソード1 陰陽師 平安京の闇をはらえ








平安時代
京の都のとある役所で事件が起こりました
蛇が1匹現れただけで役人たちは大騒ぎ
非日常の出来事は、当時、災いの予兆とされました

この話って「ねこねこ日本史」でもやってなかったっけ?

なんでもやる課、安倍晴明! ねこねこ日本史


また人間の力ではどうにもならない
天災や疫病の流行は、怖い鬼の仕業として恐れられました

身の回りのことから大きな災害まで
陰陽師には人々の不安や恐れを祓うことが期待されたのです


平安京の中心、天皇が暮らす内裏
そのすぐそばに置かれた役所が陰陽寮です





ここを拠点に活動し朝廷に重く用いられた陰陽師
重要な役目の一つは天文観測
毎日決まった時間に星を観測し異変がないか調べます
実は陰陽師が学ぶ陰陽道には星が深く関わっていました





そのルーツは古代中国の陰陽五行説
この世の全ては陰と陽が対になっており
互いに影響し合っていると説く思想です
例えば太陽と月、男と女、火と水など





中でも重要なのは地上の人間と対になるとされた天の星々
星の動きに異常があれば、人の世にも災いが起きると考えられていました
陰陽師は星を観測することで災いの予兆を察知できるとされたのです

ヘビを「遠行」と判断を下す→左遷のこと
この後、左遷を避ける方法を進言したと言う


平安時代の半ば ヒーローが誕生 安倍晴明
晴明を祀る神社 晴明神社 ここ行きたいんだよな
至る所にある五芒星は晴明が用いたとされる魔除けの印








後に神として祀られるほどその名は天下に鳴り響きました






陰陽師が災いを祓うために身につけていたのは術です
清明の子孫に伝えられた記録に有名な術が記されています

「九時護身法」





縦4本、横5本の線を切ります
邪悪なものを祓うとされる印です
実は晴明はこうした述を斬新なやり方で用いました


術その1 うふ
天皇の住まい御所が新築され、初めて天皇が入る時のこと
道の邪気を祓う儀式が行われました

それまでの先例に則って酒や米を撒き道を清めます

ところがこの時は特別な事情がありました
御所が新築されたのは火事が原因だったのです

そこで晴明は儀式に手を加えます
先例では邪鬼が祓えないと判断したからです

行なったのは不思議な足の運び
陰陽師の術を記した記録には
そのやり方が詳しく記されています












全部で9歩
重要なのは足の運び方と同時に唱える言葉です

これは北斗七星を含む9つの星の名前
足跡を線で結ぶと北斗七星に似ています





うふは天の星の力で大地の邪気を鎮めるステップでした

佛教大学教授 神話・伝承学 斉藤さん(面白そうな学問だな):
道に潜む邪悪な霊を踏み鎮める
そういう力があったということが目に見えてわかりやすい

米や酒をまく儀式よりも陰陽道の儀式のほうが
より効果があると晴明は主張して変えていった
先例を破るようなことを次々とやり始めた

晴明はこれまでにない儀式を取り入れ不安を祓うことに成功した

(気持ちの問題じゃなくて?



術その2 泰山府君祭
さらに人の命にまで関わる術まで編み出します

989年
大きな不安が宮中を覆っていました
幼い一条天皇が重い病にかかってしまったからです





仏教の僧と晴明が呼ばれた
僧は仏の力で病を退散させる当時の代表的な祈祷法を行います





一方、晴明が施したのは前代未聞の術でした
利用したのは地獄の力






清明:謹んで泰山府君、冥府の神に申し上げる


泰山府君とはエンマ大王と並ぶ地獄の10人の王の一人
人間の寿命を記した帳簿を持つとされています









泰山府君祭
泰山府君に帳簿を書き換えてもらい
寿命を延ばすという儀式

晴明:
死者の帳簿から名前を削り
生者の帳簿に記して寿命を延ばしてください

祭壇には帳簿を書き換えるための硯、筆、墨が用意されました

斉藤:
ただお願いしますじゃなくて、ちゃんとものを用意して
これを使って書き直してくださいっていうのは非常に説得力がありますよね


その後、平安貴族の間では泰山府君が大流行
誰もが抱く死への不安
長生きしたいという思い
晴明の名は大いに高まったと考えられます



術その3 追儺
天皇や貴族だけではなく庶民の不安も払拭しました

平安神宮 節分祭
平安時代、大晦日に宮中で行われていた鬼祓いの儀式・追儺を再現したものです

矢を放ったり刀で切ったり
あのお面もマンガに出てきた!
近くで見ると子供が描いたような感じw












追儺で大切なのはみんなで次の言葉を叫ぶこと

「鬼やろう!」

鬼やろうとは、鬼を遠くに追いやってしまおうという意味
平安京の人々にとって追儺は、来たる年の平穏を祈る大切な行事でした


ところが1002年の大晦日
朝廷は突然追儺を取り止めると決定します

1週間ほど前、天皇の母が亡くなったばかりで
賑やかな行事を控えて喪に服することになったのです

しかし平安京の人々は不安を抱きました
この年は洪水や疫病、飢饉などが相次ぎ
例年以上に追儺を待ち望んでいたからです

この時、晴明は朝廷がやらないならと
自分の屋敷で追儺を執り行いました

京のいたるところから人々が屋敷に集まり
声を合わせて「鬼やろう!」と叫ぶ
その声は都中に響き渡ったと記録されています

「晴明は陰陽の達者なり」と語り継がれた



戦国時代

長篠合戦図屏風
織田信長が鉄砲を駆使して勝利を収めた戦いの様子が描かれています









信長のすぐそばにいる人たち
彼らこそ陰陽師ではないかと言われています






戦国武将たちは陰陽師の得意分野だった天文や占いに長けたものを軍師として迎え入れていました

天下取りはおまかせを 黒田官兵衛@ねこねこ日本史

NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』第1~5回(2014)


いつ死ぬかもわからない合戦の日々
信長といえども不安に囚われていたのかもしれません



井上円了

明治時代
文明開化が進み、日本は急速に近代化します
それでも人々はなお幽霊や怪奇現象などに恐れを抱き続けていました

(不安はいつでも古今東西あるよね


エピソード2 妖怪博士 怪奇現象を解き明かせ
明治時代の半ば、日本が西洋に追いつこうと近代化を推し進めていた頃
全国で風変わりな占いが流行っていました

こっくりさん




(私の学生時代にもすごく流行って
 教師から禁止令が出たほどだったな


東京日日新聞:東西南北至る所でこくりの大旅行なり





(キツネやタヌキのことなのか
 低級霊を呼んでるって事じゃん/汗


当時のやり方は、竹を組んだ足の上に
おひつの蓋などをのせて手で軽く押さえて
占いたい内容を口にします

するとこっくりと頷くように傾き
その向きや回数などで答えが告げられるというものです






キツネ、天狗、たぬきの字が使われました
人々は日本古来の不思議な存在がそれらの現象を起こすと考えたのです






ところがそれが社会問題を引き起こします

「こっくり様、こっくり様
 女房は浮気をしておりますでしょうか?」

その通りと出る

ある夫婦はこっくりさんのお告げをきっかけに離婚

他にもこっくりさんを信じた人が
詐欺事件に巻き込まれるということまで起きました

(確信犯じゃない?


その時に立ち上がったのが井上円了 27歳
東洋大学を卒業したばかりでした






新たな時代が始まったにも関わらず
昔のままの人々の心を改めたいと考えたのです

井上:
コックリさんによる弊害は決して少なくない
だから私は学術的にその謎を解き明かし
人々の惑いを取り除くことにした


こっくりさんはどこから来たのか?
この話も前回聞いた気がするんだけど?

円了は全国各地の新聞や資料などを徹底的に分析
こっくりさんはある場所から広まったと推測しました


静岡・下田
そこでは2年前、アメリカ人の船員が
こっくりさんに似た奇妙な占いをしていました









それを面白がった日本人の船乗りが
各地の港に持ち込むことで
あっという間に全国に広まったと突き止めます


アメリカ人全員がやっていた占いとは何だったのか?
円了自筆のノートにはテーブルターニングと記されています
当時西洋で流行っていた占いの一種です

(降霊術?






円了:それなら日本のきつねや天狗が影響するはずがない


江戸時代末
円了は現在の新潟県長岡市のお寺で生まれました





ある晩、目が覚めると障子から誰かがのぞき込んでいます
もしや怖い幽霊?!

よく確かめると障子が破れて夜風に吹かれていただけのこと
一見恐ろしい不思議な現象も正体がわかれば怖くないと心に刻んだ

その後、東洋大学に入学し、哲学を学びます


哲学館
大学を卒業すると、29歳で学校を創設
哲学館は現在の東洋大学の前身です





円了:
新しい時代、若者に必要なのは
未知なるものに向き合い、真実を見極めることだ


(今でも通用する名言だね


こっくりさんはなぜ起きるのか?!

円了:
こっくりさんは鬼神やきつね、たぬきなどの霊によって引き起こされる
摩訶不思議な現象ではなく、道理上証明できるものである

こっくりさんの謎を追求する円了
実際に実験を行いました

参加者は性別、年齢、性格が異なる人たち
組み合わせを変えながら
どんな時に蓋が動きやすいのか注意深く観察します

その結果、感受性が強く、物事を信じやすい人が参加すると
蓋が動くことを突き止めました

(それも一種の超能力とか?


こっくりさんが起きる理由は「予期意向」と「不覚筋動」

予期意向
予めこんな答えが出るだろうと考えてしまうこと

不覚筋動
自分で意識せず力が入る筋肉の働き

この2つが組み合わさると
うっすら考えた答えの方向に無意識に力が入りフタを動かしてしまう

こっくりさんは人間の心や体が起こしていると世間に説きました


その後、円了についたあだ名は妖怪博士

円了:
世の中に妖怪や不思議と言われる現象がたくさんある
それらを神や魔の仕業としてしまわずに
本当の原因を明らかにすることこそ学者の使命である


円了は妖怪学を打ち立てます
そして妖怪の正体を筋道を立てて次々と解き明かしていきました

35歳の時、『妖怪学講義』を発表
2600ページにも及ぶ大著となります

さらにその妖怪学を自らの学校、哲学館の学生達に教えました










円了先生の妖怪学講義「火の玉」
人の霊魂が燃える火のように炎が飛ぶ怪奇現象

円了:
そんなはずがない
もしそうなら毎年数百万の火の玉が現れるはずだ
電灯もランプもいらず不夜城のようになって便利この上ない(面白いなw

火の玉の原因は地中から吹き出す天然ガス
それが発火して風で飛び回る現象

このように自然現象に原因があると考えたものを「仮怪」と名付けました


「正夢」
夢の中の出来事が実際に起きる現象

円了:
日本の人口を4000万人とし(少なくて快適そうだなあ!
みんなが10日に1回夢を見るとすれば
1年で14億6000万の夢が見られる
それだけあれば現実に起こることと一致することもわずかにあるであろう


このように偶然を不思議と思い込んだり
見間違いなど、人の受け取り方に原因があるもの「誤怪」としました


人がわざと仕組んだ偽りのあやかし「偽怪」





円了:
身の回りに不思議な現象が起きた場合
この分類を手がかりに真実を見極めれば良い
これからの日本人は自分の頭で考え判断すべきだ

(現代のフェイクニュースも然りだね



円了は新しい時代に心の近代化を実現しようとしました


明治時代後半
日本が富国強兵を推し進めていた頃






1902年 明治35年 哲学館事件
倫理学の試験の時のこと、こう回答した学生がいた

「動機が善であるならば
 主君や親を殺すことも悪とは限らない」


これは近代哲学では広く知られた学説に基づいていました
しかし文部省が問題視します

文部省:
天皇を頂点とする国にとって
哲学館は危険な教育をする学校である
教育方針を変えなければ学校を閉鎖する

自ら自由に考えを巡らせ
真理に迫ることを大切にする教育理念は
国の方針と食い違ってしまった


事件から3年後
47歳の円了は哲学館の運営から身を引きました

(こうして思想統制がされて、真実が見えにくく洗脳されるわけだ

 

円了は、日本全国を回る旅行に出発
全国各地の小さな町や村に住む人々に
哲学の大切さを語り広めようと考えたのです

この頃、地方には近代化が及んでいない村が数多くありました
明るい電灯に照らされた都会とは異なる
昔ながらの暮らしです







(みんな幸せそうじゃん
 てか、この回でも超能力の実験の話はやらないんだな



東洋大学 井上円了研究センター
円了がこうした地域での講演で大事にしたのは妖怪学でした









東洋大学教授 宗教社会学 三浦さん:
これは円了先生が全国を講演して歩いた時に使っていたメモ帳です
メモにして持って講演の時にこれを見て話をした
5000回以上講演していますから


「妖怪総論」




人々に根拠のない迷信に惑わされず
真実を見極める力をつけることこそが大切だと語りかけました

円了:
人間には肉体と精神の2つの面があります
体を鍛える方法として運動や体操がありますが、心も同じこと
ものの見方、考え方を鍛えなければならないのです
「哲学の効用」より

こうした講演旅行は足掛け14年に及びました
全国各地で円了の話を聞いた人々は140万人に上ったと言います









その中の1人の少年は、後に円了の話で目が覚めた喜びを語っています

少年:
親達が迷信深く、夜暗くなると怖かった
狐火、鬼火、人魂の話など
円了先生は「全然おっかないものではない」と説かれた
私は子供心に気持ちが明るくなった

(のんのんばあみたいな?
 ミズキさんはそれで心豊かになったけどな


人々の心を囚われと不安から解放したい
あらゆることに疑問と好奇心を持ち
自由に考える喜びを知ってほしい

そんな願いを込めて円了は日本人の心に
灯をともしていったのです


神泉苑
1200年以上前、平安京と同時期に造られました
ここに陰陽師の世界観と関わりのあるとても珍しいものがあります










恵方社
陰陽道の神様、歳徳神が祀られた社です





幸せをもたらすとされる歳徳神のいる方角は
恵方と呼ばれ縁起がいいとされます

ところがこの神様は毎年移動してしまいます
つまり恵方が変わるため人が拝む方角も変わってしまいます





そこで神泉苑では毎年大晦日になると
翌年の恵方に合わせて社の向きを変えます

するとお参りに来た人は
いつでも神様がいる方角に向かって参拝できるというわけです






恵方といえば恵方巻き
現代を生きる私たちも昔の人たち同様
縁起を担いだり、占いや願掛けになぜか心惹かれますよね

(全然不安な心は変わってないってことだ
 恵方は寿司を食べる日になっちゃってるし



東京・中野 哲学堂公園

第2回認定日×哲学堂公園






入り口で人々を迎えるのは幽霊と天狗
晩年円了はここで人々に哲学や妖怪学を語りました


 







生涯最後の著書「真怪」



(なんだかんだ言って妖怪とか大好きなのでは?


怪奇現象に「真怪」という分類も設けていました
どんなに科学が進歩しても解き明かせない不思議な現象

「迷雲を払って真月を見よ
 妄眼を拭って真怪に接せよ」


目先の迷いや偽りを払った先に本当の不思議が見えてくる
では本当の不思議って何ですか?

「清風明月是真怪」





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