メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

卒業の夏 福武文庫 ペイトン/著 福武書店

2025-01-30 17:22:59 | 
1990年初版 久保田輝男/訳

体重90キロ超えのいかつい脳筋タイプの主人公が
ピアノを弾かせたらスゴイってギャップに惹かれて一気読み

あとがきにもある通り、ホールデン・コールフィールドを思い出す

続編『ベートーヴェンの肖像』もぜひ読みたいと思って調べたけれども、邦訳はないみたいで残念


【内容抜粋メモ】

登場人物
ペン(パトリック・ペニントン)
ベイツ 親友 気が弱いが歌が上手い
スミートン ケンカ相手

ビーハイブ中学
クロッカー 音楽教師
マシューズ 体育教師

ミッチェル 新任の巡査
ウエスト警部

シルヴィア 歌の上手い少女



体が大きく、つねにトラブルを起こすペンに教師らもお手上げ
長髪を切るようずっと注意しているが聞く耳持たず

通知表もひどい結果 体育と音楽だけは得意
(1つでも秀でた才能、好きな科目があるなら、それを伸ばせばいいよね

教師:ペニントンがああなのは両親のせい

母はアイルランド気質で頑固一徹
父はすべて腕力でけりをつけるタイプ

母はペンに小さい頃からピアノを習わせていた
とっくに退学になってもいいのに、勉強を続けさせたのも母親

ベイツは歌が上手く、テレビに出たいと夢を話すが、緊張しいで気が弱く
人前に立つのがニガテ



老船マチルダ号を巡って、ペンとスミートンはいつもケンカをしている
新任の巡査ミッチェルがケンカを見て、早速ペンに目をつける

ハームズワース少佐がケンカの原因はペンだとミッチェルに教える
ペンは腹いせに少佐のジャガーのタイヤをへこませる

スミートンは少佐のジャガーにタールで4文字言葉を塗り、ペンのせいにする
弁償の勘定書きが父に送られ、バイトをして金を作らなければならないが
小さな町でペンは嫌われていて仕事も見つからない

ペンはスミートンと仲間を泥の中に落として復讐する
ミッチェルが逮捕しようとして、ウエスト警部がなんとかおさめてくれる

ペンはオークホールの少年院送りだけは恐れている
ウエスト警部:お前は頭が悪いわけじゃない もう少し頭を働かせるんだな

酒場で人手が足りないのを知って、コップ洗いのバイトを見つける
古ぼけたピアノを弾くと、18歳になったら店で弾いてくれと頼まれる

酒場主人アーサー:公民館で水曜の夜、フォークソングを演ってる
ペンはそこで痩せた金髪の少女シルヴィアの歌を聴き、参ってしまう



クロッカー先生はノースエンドの音楽祭でメンデルスゾーンの
♪アンダンテとロンド・カプリチオーゾ を弾けと命令する

クロッカー:職員会議で決まったことだ 毎日少なくとも3時間練習すること

級長マクスウェルは、音楽会で歌う老歌手テイトを出し抜くために生徒でいろいろ計画し
ベイツにも歌うようすすめるが、酒の助けが必要だとアドバイスするペン

スミートンがマチルダ号に乗り込んできてひどいケンカの後
エンジンが止まり、座礁してしまう

船について少しでも知識があるのはペンだけ
みんなびしょ濡れになって帆を動かして、なんとか岸にたどり着く



ペンの長髪が職員会議で問題となり
髪を切るまで運動競技から締め出そうと決まる
教師の間で、ペンが髪を切るか切らないかで賭ける

ペンは担任“ぐしょぬれ”が嫌う♪ターナンバウム を弾いて嫌がらせをする

ペンはテイト氏や他の生徒の余興の伴奏も頼まれるが
スミートンはベイツとペンを物置に閉じ込める

ペンは満潮を待って物置からダイブして脱出し、父のオートバイを無断で借りて
無免許でベイツを乗せて猛スピードで飛ばして、なんとか間に合う

ベイツはマクスウェルらに散々飲まされ
べろんべろんの状態でペンの楽譜めくりを命じられる

ベイツの滅茶苦茶ぷりが生徒らに大好評で拍手喝采となり
気をよくしたテイト氏はアンコールに何度も応える

ベイツを何度も励まして、歌わせると校内は感動でしずまる
客席にシルヴィアも観ていて、2人の演奏を褒める

ペンはお茶に誘うが“ぐしょぬれ”がわざと小僧扱いして校長室に呼ぶ
ミッチェルはオートバイが盗まれ、壊された事件の犯人がペンと疑い事情聴取する
ペンは音楽会に父がオートバイに乗せてくれたとウソをつく

帰宅すると父はオートバイの件で殴りつける

ウエスト警部:
悪い家庭の見本みたいなものさ
親身になって相談にのる相手がいない

シルヴィアはトールチェスターのフォーク大会にペンらを誘う
ピアノのコンテストと同じ日のため、ペンはフォーク大会に行くと決意する



ペンはミッチェルに呼ばれ、物置から水に飛び込み、アリバイを証明して見せるが
ベイツはウソがつけないため、父のオートバイに無免許で乗ったのがバレる

マシューズはペンが水泳大会に出場できないのを知ってて見学に来いと命令する
最後の400mで勝たなきゃ4連覇できないと分かるとペンを無理やり出場させる

ライバルのパークサイド中学のピタスンは全英代表になったほどの選手だが
見事ペンが優勝する

マシューズは妻が妊娠中とか、家を抵当で手に入れたばかりで職を失いたくないと打ち明け
ペンに髪を切らせる



ペンはこれまでの恨みを晴らすため、バケツに汚物を入れて
“ぐしょぬれ”の頭からかけるというオーソドックスなイタズラをする

担任はペンの手をムチで打つ
“ぐしょぬれ”:ムチだけで済むと思ったら大間違いだぞ
ペンは“ぐしょぬれ”の鼻をあかすためにピアノのコンテストで優勝してやると誓う

ベイツとマチルダ号に乗ると、クロッカー夫人と出くわし
夫が帰らないから探してほしいと頼まれる

ボートの中で心臓発作を起こして倒れているクロッカーを見つけるが
またマチルダ号を浅瀬に乗り上げてしまい、ベイツにボートをこいで戻るよう指示し
自分は近くに来た少佐の船に助けてもらう

コンテストにギリ間に合い、我を忘れて弾き、見事優勝するペン
シルヴィアも聴いていて褒める
シルヴィアはパークサイド中学の学生で、水泳大会でペンを応援したと話す

家に招待され、気さくな両親にピアノを弾いてくれと頼まれて
クタクタで空腹なのも忘れて3時間も弾く



家に帰ると、ピアノの名教師ハンプトンが来ていて
ゆうべシルヴィアの家の上の部屋でペンのピアノを聴いて
奨学金でロンドンへ行き、ピアノを勉強しないかと誘う

ベイツはクロッカーを救ったヒーローのようにマスコミに取り上げられているのをペンに謝る
ハンプトンは父、ウエスト警部も説得する

クロッカーもハンプトンを知っていて、ペンが本格的にピアノの道に行くのを喜ぶ

校長もペンをほめたたえ、1曲弾いてくれといきなり頼む
校長:君の好きなのでいい
ペンはアンチぐしょぬれの♪ターナンバウム を弾く

マクスウェル:この後が大変だぞ
ペン:平気さ オレにはする仕事がある オレは出て行く




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