寒くなるにつれて薪の消費量も増える。
昼過ぎに運搬車で薪小屋に向かったら、直ぐ近くの田んぼから二羽のトンビが飛び立った。
「何か獲物でもあったのか」と思い近づいて見たら、一羽のトンビが逃げようともせず羽を広げ、
何かを隠しているように見えた。
人間が近づいても「逃げないトンビ」を見るのは初めてだったので、「羽でも傷めて飛べないのか」
と思い、確かめるつもりで小さな土の塊を拾って投げてみた。
見事に命中し、その衝撃でトンビが少し動いた。
羽で覆っていたのは「鶏の死骸」だった。
鶏は、今朝、鶏舎の中でイジメに遭いヒイヒイ泣いていたので、外に解放してやったのだったが、
早々にトンビの餌食となったようだ。
トンビは、鶏を運び去ろうとしても重過ぎるので、少しずつ引きずるように林の方へ運んでいたが、
一時間後に見ても未だ田圃のへりにも到達していなかった。
その後、どうなったかは知らないが、夕方になるとキツネが出て来るので「その前に」何とかしないと、
折角の獲物を奪われてしまうだけでなく、自分の命さえ危うくなる。