昨年の秋にイタチの被害で鶏100羽が犠牲になった。
イタチは高さ1m弱の腰板をよじ登り金網を食い千切って侵入していた
ので、金網部分を半分覆う高さのトタンで囲った。
トタンだと「爪が立たず滑って昇れない」が棟梁さんの見解だった。
それ以後イタチの被害は無いが、秋を迎えて日が短くなったためか鶏舎内
が暗くなったように感じられたので棟梁さんに連絡し、トタン部分を少し下げ
るようにお願いしていた。

しかし、棟梁さんは依頼主のリクエストを「そのまま受ける人」ではない。
現場確認後に熟練大工として付加価値を付けた逆提案をすることが多いが、
今回もそうだった。
鶏舎内を暗くしているのは外側を囲っているトタンではなく金網に張り付いた
ゴミやクモの巣が光を遮断しているためだった。
棟梁さんは金網のゴミをコンプレッサーで吹き飛ばした後、「色々と忙しいかも
しれないが、年に一回ぐらいはコンプレッサーや洗車機で金網の掃除をすべし」と
言い残して帰って行った。