厳美の「道の駅」でインゲンを購入された仙台のお客様から「道の駅」にお礼と注文のハガキが届いた。
敢えて全文を紹介したい。
先日、美の郷道の駅で野菜を求めました。
その中の熊谷千代子さんのインゲンに「農薬を使わずに育てました」と記してあり、食べて驚きました。
いくら細い平たいインゲン(見た目は同じ)でも味がぜんぜん違い、遠い昔の味がしてやわらかくいた
だきました。(甘味もあり)
しかし、農薬を使わないもののインゲンは手に入りません。出来れば送料共着払いで20袋でも30袋
でも送って頂けないものかと。
袋に入れなくとも結構です。
とにかく何年振りで味わいました。
ありがとうございました。
「農薬を使わずに育てている」ことを表示することは他の生産者や直売所側から色々な形で
バッシングを受ける。
「農薬を使わずに育てるなんて当たり前のことで、そんなことをアピールするのはおかしい」とか、
「そんな表示をすると、まるで他の野菜が農薬を使っていることを暗示することになる」更には
「自分だけ売れればいいのか」等々。
表示をしていたPOPを毎日捨てられる嫌がらせを受けたこともあった。
そんなバッシングに耐えることは、農薬を使わずに野菜を作る以上に大変なことに思えたことも
あった。
しかし、農薬を使わずに育てることは単なる利害損得だけでは続けられないし、そんな簡単なこと
ではない。
自家消費分のみを作るのであれば簡単かもしれないが、商品価値のあるものをコンスタントに
出荷しようとした場合は、よほどの覚悟が無いと続かない。
殆どの生産者は農薬を使っているし、「使っていない」と言う生産者も除草剤や殺虫剤は
「農薬ではない」と誤解している例が多いのが実態となっている。
そんな環境下で、このハガキから大きな力を与えて貰った気がしている。
ちなみに、「懐かしい昔の味」との評価はトマト、ジャガイモ、ニンジン、枝豆では何度か頂戴
しているがインゲンでは初めてのことだった。
枝豆やトウモロコシは鮮度が命。
甘く食べられるのは収穫してから「せいぜい二日」と言われているので、できるだけ新鮮な内に
お客様に提供できるよう「朝穫り」にこだわっている。
しかし、枝豆については時間的に困難なので、夕方畑から根付きのまま抜いて来て立てておき、
早朝に脱莢することにしている。
それによって「朝穫り」同様の鮮度を保つようにしている。