前回述べた三賞受賞作品の横断的採点をしてみようと思う。ただし文庫化された作品のみを対象とする。また上下など二巻以上に分かれた作品は対象としない。
% 50点以下
◎ 解説がひどいもの、ただしこれだけでは落第にしない。
◎ 読み続ける気にならないもの、だいたい7、80ページを目安とする。つまり80頁くらいまでは我慢して読む。
◎ 深夜目が醒めて眠れなくなった時に手に取って続きを数頁でも読む気にならないもの
◎ こんだ電車等で読む気にならないもの、つまり騒々しい場所で意識的に集中力を高めて努力しなければ読めないもの
% 50点以上の刻み方
◎ 文章表現力、構成の巧みさ、
◎ 構成に分かりにくさ、飛びがないこと、ただし構成の分かりにくさ、飛躍に意図的な、かつ正当な理由があると認められる場合は除く
◎ 文章の迫力、つや
% 最高点
80点を上限とする。対象の三賞では80点以上はあり得ないという先験的独断による。
さて前に述べた三浦しおん女史を初回はとりあげよう。
◎ 船を編む 30点、面白いかね。80頁以上読み薦められなかった。これは最近本屋で大きなスペースを誇っている少女小説コーナーにでもおくものだろう。
◎ 直木賞の「まほろば駅前多田便利軒」40点 滑稽小説のつもりらしいが重苦しいだけだ。解説もひどい。解説のヨイショの仕方が幼稚だと内容も連動するようだ。女性の翻訳家らしいが、この人の翻訳も避けた方がよさそうだ。
もう一つ別の人の作品。葉室さんだったかな、直木賞「蜩の記」65点
時代小説を久しぶりに読んだが、考証が進歩したのか退歩したのか、妙な感じがするところもあるが、よく書けていると言っていいだろう。
ちなみに解説をキャンベルさんというひとが書いているが、適切な解説というよりピントが外れているようだ。もっとも露骨なヨイショはない。東大教授だからね。