それにしても、最近アップの回数が多すぎないか。考えてみたら連日の炎暑でテレビが不要不急の外出は控えろというものだから、あんまり外出しない。家にいても掃除ぐらいしかすることがない。退屈でイライラする。それでなにかアップして時間をつぶそうとするのだろう。弁解終わり。
そこで前回の続きだ。前回、ガラスの鍵は日本の仁侠映画と同じだといった。もちろん違うところもある。ドライ度が違う。ボーモント、小説の主役は博徒ですってんてんになって溝に転がっていたのを政治ボスであるマードックに拾われて何でも屋というか参謀扱いで優遇された。その恩義を返さなくてはならない。日本と違うのは、無制限、無期限で恩義を感じるというウェットではなくて、借りを返したら別れようというアメリカらしいドライさだ。実際、殺人の真犯人と疑われたマードックの無実は証明した。しかし、その代わりにその裏の政治ボスの表の顔である上院議員を告発する羽目になった。皮肉なことだ。
それでこれで借りは返した、こんな町はおさらばしてニューヨークに行こうとした。そうしておまけに真犯人とした上院議員の娘をかっさらっていくことになる。この辺のドライさはアメリカ的だ。
もちろんハードボイルドだからボーモントの心情吐露は一切書かれていない。以上のことは読者が感得しなければならない。