簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

温暖な別荘地 (東海道歩き旅・相模の国)

2018-05-18 | Weblog

 大磯は別荘の町として知られている。
温暖な気候に恵まれたこの町には、明治になると伊藤博文など8人の歴代総理
大臣が邸宅を構えたのをはじめ、各界名士たちの別荘や邸宅が立ち、多い時に
はその数が150戸にも及んだと言う。



 明治18年にはこの町の海岸に、日本最初の海水浴場も開設されている。
当初は健康増進、病気療養には海水を浴びることが良いとのことからだそうだ。
そんな海のある風景が、中国湖南省の洞庭湖のほとり湘南に似ていることから、
この地を「湘南」と呼ぶようになったその発祥の地でもある。



 カギの手に曲がる街道を先に進む。
そこに小さな川が流れ、趣のある建物の「鴫立庵」がひっそりと建っていた。
木造平屋の伝統的技法を用いて造られた建物で、町の有形文化財に指定されて
いる。

 「心なき身にもあわれは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮れ」
平安時代の歌人西行がこの地で詠んだことに因み、江戸時代に結ばれた草庵で、
国内有数の徘徊道場として知られたところだそうだ。



 その先町役場を過ぎた辺りに上方見附が有り、見事な松並木が残されている。
そんななかに伊藤博文の旧宅であった「滄浪閣」が立っている。
戦後はホテルの別館として利用され、その後は結婚式場や中華料理店として使わ
れた時期もあったらしいが、今は使われてはいないように見受けられる。





 このあたりの「こゆるぎの浜」には各界名士の邸宅や別荘が建ち並び、そんな
外れに吉田茂の旧邸も建っている。
目の前は大磯城山公園で、ここから小田原まで四里の道のりが待っている。(続)



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