大磯城山公園の前で国道1号線と別れた東海道は、その先の大磯警察の有る辺り
で再び合流し、以後はほぼこの国道を歩くことになる。
道は海岸から少し遠ざかり、山手側に近づくせいか、緩やかに上りそれが結構
長く続いていく。
そんな道の所々、町並みの隙間から青く輝く太平洋・相模湾が望まれる。
二宮駅を過ぎた辺りで最高点を迎えた街道は、押切坂上の交差点辺りから下り
始めるが、ここでは左に向かう本来の旧道が有った。
しかしこれを見逃してしまいそのまま国道の急坂を下ってきた。
下りきると押切橋で、旧道も合流してくる。
左手には中村川の河口が広がっていて、この橋を越えれば小田原市だ。
ここからは浅間神社入口に向け、またまたちょっとした上り坂になり、その
サミットでは行く手正面に太平洋の広がりを見ることが出来る。
気持ちの良い景色に癒されるのか、道路が繰り返す上り下りのストレスをあまり
感じないのはありがたい。
途中の車坂は太田道灌や源実朝などの詩に謡われた場所である。
当時もこの辺りからは相模湾を見下ろす松並木の美しい道が続いていたのであろう。
国府津の駅前を越え、親木橋を渡るころには道路標識にも「箱根」の文字を見る
ようになる。右手正面のどんよりと重く沈んだ雲の中に箱根の山が薄いシルエット
を見せている。
江戸日本橋からは79Kmを超えている。
小田原が近づいたせいか、国道を行く交通量も心なしか増えているようだ。
バス停で一里塚を確認するあたりにも所々松並木が残されていて、そんな先に
酒匂川が近づいてきた(続)。
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