簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

東茶屋街(JR全線乗り潰しの旅)

2014-01-13 | Weblog
 目の前に浅野川が流れる浅野川大橋の袂、橋場町までは駅前から10分
ほどである。



 そこに架かる大橋を渡ると、その右手に主計町茶屋街、手前の道が浅野
川に沿った“秋聲のみち”だ。





 バスを降り、川沿いのそんな道を暫く歩く。
ここらあたりは旧御徒町と言われた地で、藩政期には藩主を警護する徒士
(かち)と呼ばれる武士たちが住んでいたところらしい。



 川岸を離れ、左に折れて細い路地を抜けると、そこには東茶屋街が広が
っていた。重要伝統的建造物群保存地区に指定され、江戸時代後期にお
ける庶民文化の雰囲気を今に伝える金沢を代表する観光地の一つだ。
電柱が地中化され、石畳の敷かれた通りの両側に、紅殻格子のお茶屋が
整然と並んでいる。



 一階の通りに面した部分には加賀格子と呼ばれるこの地方独特の細か
な格子がはめられている。
外からは見えにくく、中からは通りを見通しやすいものだと言う。
板張りの二階は背が高く作られ、雨戸が嵌められている。
 切妻屋根の庇はどの家もほぼ同じ高さに揃えられているので、全体に
出入りの小さい平入りの家並みはノッペリとした印象だ。



 入口に立つ1本の柳の木が、何とも色町らしく艶めかしい。
ここ東の茶屋街は、金沢に三か所あった花街では最大規模で、現在も8軒
が営業していて、芸子・芸者さんが20名ほどいると言う。


(写真提供:石川旅ネット)

 夕暮れ時ともなると、お茶屋の店先の低い格子戸を潜り抜け、笛や三味
の音と共に、ひょいと染乃が現れそうな、そんな雰囲気の町並みだ。(続)





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