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鈴鹿馬子唄会館の前の坂を登ると「鈴鹿峠自然の家」がある。
昭和13(1938)年に建てられた坂下尋常小学校の跡地に建つ青少年向け
の宿泊研修施設である。旧校舎が残されていて、切り妻瓦葺屋根を持つ
平屋建築で、校庭に向けた平入りで、正面中央付近には、妻入りの洋風
車寄せが作られている。
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外壁は洋風下見板張りで、ペンキが塗られモダンな作りだ。
歴史的な景観に寄与するとして、平成11(1999)年国の登録有形文化財
に登録されている。
ここには、民具や寺子屋資料を展示した民芸館も有るらしい。
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各宿場名の書かれた石柱が立ち並ぶ坂を少し下り、再び旧道に戻る。
その合流地点に、「鈴鹿馬子唄発祥の地」の大きな石碑が建っていた。
ここからが鈴鹿を目指す本格的な上りのようで、先ずは杉林に挟まれた
道が延びている。今のところ坂はたいしたことも無く、少しずつ高度を
稼ぎながら次の宿場を目指している。
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両側は鬱蒼とした森で、途中には「AGF ブレンディの森 入口」
と書かれた、極めて目立つ大きな看板が道路脇に立てられていた。
水の源で有る鈴鹿川流域の森を整備する一環で始められた活動の拠点で、
AGFが取引先と共同で一般客を招待し、イベント開催等を企画してい
るらしい。
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看板下側には小さな文字で、「関係者以外は立ち入らないでください」
とも書かれている。企業の社会貢献活動の一環であろうが、ならば「こん
な大きな看板出すなよ・・」と思わず突っ込んでしまう。
そんな悪態も、聞き咎める者がいないのは一人歩きの気楽さである。(続)
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