高崎から乗車した電車は、渋川で上越線と分かれ、吾妻線に入る。
やがて車窓の右手に路線名の由来ともなっている吾妻川が寄り添って
くるが、まだこの辺りでは町並が続き見通すことは出来ない。
それでも金島駅の先で、上越新幹線の高架を潜る辺りまで来ると、
山や川や田畑等の豊かな自然が車窓を楽しませてくれる。
祖母島駅を出て、吾妻川を橋梁で越えその左岸に出ると川がより近く
なり、やがて渋川からは20分ほどで小野上温泉駅に到着する。
平成4(1992)年に地元の強い要望で開業した、吾妻線では最も新しい
駅である。駅周辺の集落の人たちは、これまでは一つ手前の2キロほどの
距離のある小野上駅を利用していたが、開業により大層便利になった。
とは言え元々大きな集落が有るわけでも無いので、乗降客はさほど多くは
ないという。
ここは幅2メートルほどの長い単式ホームが1面有るだけの無人駅だ。
何の設備もない大層長いホームは、その幅と比べると何だかアンバランス
の様に思うが、これは沿線を走る長編成の特急列車などの対応を考慮した
ものであろう。そのすぐ前を国道353号線が流れている。
木造平屋建ての駅舎は、指定管理者により管理されている。
その為、張り紙によると午前9時から午後5時までの営業となっていて、
営業時間外は閉じられている。従ってこの間の駅利用者は、駅舎を通り
抜けることなく横に設けられたスロープによりホームに直接上がる構造
になっている。
駅は地元の活性化センターを兼ねていて、待合室、特産物直売所等が
有る。その為か掃除も良く行き届いているようで、駅前も多くの植木や
草花で、綺麗に飾られていて、とても気持ちの良い駅だ。(続)
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