簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

限りなく近い海(JR全線乗潰しの旅)

2012-09-07 | Weblog
 十二湖駅の狭い改札口やホームに人が溢れていた。
車窓からの絶景区間だけ列車に乗るため、団体客を乗せた何台もの大型
バスが駅前に横付けしたからだ。



 五能線の駅では、度々お目にかかる光景だ。
彼らは良いとこ取りで、何駅かの絶景区間を列車で楽しんで行く。
 もうすでにアルコールの入った人も多く、景色はそっちのけで、凄まじい
ほどに賑やかなお喋りに花が咲く。

 そして、いくつかの駅をやり過ごし、慌ただしく列車を降り、再び迎えの
バスに乗り込んで行く。
こうして一頻賑わった車内は、再び平穏な静けさを取り戻す。
 


 12時05分発の深浦行きに乗る。
これを逃すと普通列車は、17時過ぎまで一本も無い。
この間に走る列車は、快速の季節列車、「リゾートしらかみ号」だけだ。



 陸奥岩崎から陸奥沢辺あたりまでは、車内で潮の香を嗅ぎ取れるほど、
海岸線に近付いて行く。目の下すぐに見える海の色は何処までも碧い。



 海中に林立した奇岩怪石に打ち砕ける波も穏やかで、控え目に白波を
立てている。
空は透き通るように青く、所々に千切った綿のような雲が浮かんでいる。
遠くに見える、白神山系の崩落跡が生々しい。

 窓越しに見る景色は、見飽きることを知らない。
何処を切り取っても一幅の画を見るようで本当に美しい。
 


 列車が少し海から離れると、周りが突然開け、欧風の建物群が目に飛び
込んでくる。ここは人気のリゾート地、ウェスパ椿山だ。
 地元の名物を味わえるレストランや、ガラス細工の店、物産館などが有り、
遊んで泊まれる施設が揃っている。
さすがに人気の観光地だけ有って、乗降する人が多い。



 次の艫作(へなし)には12時24分に到着する。
どこかの作業現場のような造りの、小さな無人駅で列車を降りる。
この先には、楽しみな至福の湯が待っている。(続)



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