まこの時間

毎日の生活の中の小さな癒しと、笑いを求めて。

チョコレートの真実

2008-02-21 | 読書
この本は、衝撃的でした。
カカオの国の子供達はチョコレートを知らない。世界最大のカカオ豆の輸出国、コートジボワール。カナダ人ジャーナリストの「キャロル・オフ」がカカオ農園で働く子供達に出会う。
マヤ、アステカの時代から、スペイン、ヨーロッパの歴史にふれ、アメリカのハーシーのミルクチョコレート誕生からM&M・・

本文より
 チョコレートは、誘惑そのものだ。わけもなくやみつきになる。
だからこそ巨額の貿易が、そして、ひとつの産業が成り立っている。
 私の国の子供達は、一つのチョコレートを二、三分で食べてしまうと説明すると少年たちは本当に驚いている。何日も苦労して働いて作られたものを、地球の反対側では一瞬で食べてまうのか。しかし、彼らは北アメリカの子供のそんな楽しみを妬むわけではない。西アフリカの人々は羨ましいという気持ちをめったに出さないる
 私の国には学校へ向かいながらチョコレートを食べる子供がいて、ここには学校にも行けず、生きるために働かなければならない子供がいる。
少年達の瞳に映る驚きと問いは、両者の間のはてしない溝を浮かび上がらせる。
 これは私達の生きている世界の裂け目を示している。カカオの実を収穫する手とチョコレートに伸ばす手の間の溝は、埋めようもなく深い。

この本を読み終えると、口いっぱいに苦い味が広がる気がします。