殿の友達が温泉に誘ってくれた。しかし、食欲もなく、体力もなく、金沢での治療の後熱も出たのでやめようかというと、頑として「行く」という。弓道の仲間で何十年の付き合いの仲間9人(現在弓を引いていない人4人)で一昨年から3回目の温泉とのこと。
車椅子を押して、着替えも手伝わなくてはならないので、付き添いにわたしも行くことになったが、女はひとりである。30畳の部屋に9つの布団を敷いて隅っこに寝ることにしたら、別に違和感もなく、いつも道着の着替えを道場で男の人は平気でしているので、今更恥ずかしくもなく、これは歳をとって鈍感になったせいか。わたしは、風呂で着替えをするので別に不便もなく、飲み放題で生ビールを2杯飲んで大満足。
その後は、遅くまで弓道談義と知られざる怪我の話などで盛り上がる。殿は早くに布団に入っていたが横になって皆の話を聞くのも楽しいようだ。また、朝食もみんなとならいつもより食べることが出来た。
何より先輩と同級生のSさんがせっかくだから温泉につかるように勧めてくれて、夜は遠慮していた殿も、朝食の後、車椅子で連れて行ってもらうことになった。
わたしはさすがに、風呂までは入れないので、着替えの手伝いをお願いした。ところが、着替えだけでなく、シャンプーも体も至れり尽くせりで何よりだったとのこと。感謝で一杯だ。行けるだけでいいと思って温泉は諦めていたのにありがたいことだった。
ホテル内も車椅子の移動が十分できるのでありがたかった。本人の気力も嬉しい。