連絡事項を携帯でメールしたが、なかなか返事がない。夕方送って、夜まで返事がないと遅いと感じる。
いつの間にか待つ時間に対して短気になっているような気がする。昔は手紙を出して、返事は何日も待った。それが、FAXになり翌日まで待っても大丈夫だった。だが、携帯メールだと2時間待つと長いと感じる。スピーディに処理出来る時代になって、人はいつの間にか振り回されているような気がする。
普通の暮らしの中でも早さが要求される昨今、企業や商売ではどんなにかスピードを求められるか、その中でストレスや失敗は多いだろう。
前に、Eテレの100分で名著の「荘子」の放映の時、「ハネツルベ」という寓言が紹介されていた。
井戸を手で掘っている老人に「はねつるべを用いてはどうか」と、助言すると「機械(からくり)を用いる者は、必ず機事(からくりごと)をするようになる。機事をする者は、機心(からくりごころ)をめぐらすものだ。やがては心が乱れ道を踏み外すだろう。
ということだ。そういえば、そそっかしいわたしは、メールを個人に返すつもりが、仲間のメーリングリストに返して、自分のアホさ加減を知らしめてしまった。まあ、自分のアホさは仲間のみんなが知っているので救われるが、これが秘密や人の批判だったら大変だ。荘子は2300年も前に、今のわたしたちのアホさを予言していたのか。