茶碗に絵を描くための下書き用に、4Bの鉛筆を探していたら、6Bまであることを知って、すごいと思った。わたしの小さいころは、2Bが最高だったと思う。
ところが、先日TVで、鉛筆工場の人が「10B」の鉛筆を開発したという。
子どもたちの筆箱の中を覗くと、Bばかりだ。HBはどこへ?なんでも、子供たちの手首の力が弱っているとのこと。なので、うすい鉛筆では字が見えないということだ。でも、わたしの知りえる子供たちは、けっこうな力で字を書いている。そして、手をまっくろにしている。
「わ」と、「れ」を、うまく書けない子、鏡文字になってしまう子を見ながら、いつの間にか字を覚えて大人になる自分たちを思う。字は書けるようになっても、気持ちを言い表すことが難しいと思う。何かを知ったような気になって、何も知らないということを知る。
何も考えず、手を真っ黒にして字を書いていた頃のように、何かに夢中になって時を忘れたいと思う。