年をとると早起きになるというので、わたしはまだ若いらしい。早く起きられない。目覚ましは2回止める。5分経つとまた律儀に目覚ましが鳴る。2度寝が幸せ一杯なのである。6時はまだ暗い。暗いうちに起きるのは体に不自然である。夏は朝日が体に当たるので目覚めても理屈に合う。6時半には少し朝日がさしてくる。天気が悪いと危ない。
毎日、予定もしっかりあるが、早起きの必要もないということが気が緩むところである。それでも、天気の良い日は早起きして、わざわざ20分歩いてパンを買いに行く。パンを買う時間も含めて50分かかる。ちょうど登校中の子供たちと同じ方向なので、子供たちと歩いたりする。
しかし、天気がいまいちの暗い日は、もう一度寝ると良いことがある。殿の夢を見ることがあるのだ。いつも、病気の殿が出てくるので辛いのだが、「わー、もう一回手を貸してあげることができる。」と、喜んで手を伸ばすと幕は下りる。でも、その時目覚めるとシャキッと起きることができる。
殿は早起きだった。わたしがもぞもぞ寝ていると「まさこ」と、起こしてくれる。その声が今も時折聞こえる。今もどっかで生きているのだ。しかし、暗い日は起こさなくてよいですよ。ふかふか布団にもぐっていると、このままミノムシになってもよいとさえ思う。しかし、ミノムシもいずれはミノから出なくてはならないのだった。
そんなことを言っていられない。父の病院へ行き、市役所へ行き、証券会社へ行き、仕事上インフルエンザを受けに行ったら、12時を回ってしまった。ハードだった。午後は午前中の住民票が有効期限切れで、再び市役所へ行ってから仕事に行って、目が回りそうだった。早くミノに入りたい。